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Posted by - 2024.05.15,Wed
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Posted by Ru Na - 2015.02.01,Sun
後藤健二さんが殺害された。何ともやり切れない。
連日新聞には、過激派による中東の惨い状況が報道されている。
人間はどこまで残虐になれるのか。
いろんな複雑な要素が絡むとはいえ、
他の生物には見られないこの残虐さは、いったいどこから来るのか。

パリの風刺紙編集部が襲撃されたテロ事件のショックの激震。
世界を駆け巡った「私はシャルリ」。
風刺の限界の是非はさておき、それになぞらえ、
紛争地域の困難な状況の子供たちを少しでも救おうとしていた後藤さん
への共感、祈りの波のように広がった「私はケンジ」も、
ついに届かなかった。

     






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Posted by Ru Na - 2015.01.26,Mon
1月23日は中流域の鳥調査を行った。
第三土曜日が毎月の定期日だが、先週は荒天で一週間延期した。
薄日が差し道には雪もなく、良い調査日和になったが、
川には水鳥が少ない。
やはり工事の影響で、水鳥にとっては住みにくい環境になってしまった。

   

工事されていない区間も、熊の出没のせいで、大分木が切られてしまった。
河岸の公園の木立の上のオナガ。

           

冬らしく、カワラヒワやアトリの群が飛び回っていた。

 

 

対岸の鉄塔の上にハヤブサがとまった。ハヤブサは時々この辺りまで来る。

 

ついで鉄塔に来たのは、チョウゲンボウ!

 

トビも加え、この日3種の猛禽類に出会えたのだった。

シジュウカラとエナガの混群。

 

一瞬だけれど、イソヒヨドリも出てきてくれた。
       
      

おなじみのシロハラ君も、ようやく姿をゆっくり見せてくれた。

 

りんご畑に残された実を、夢中で食べるヒヨドリ。

 

数の減少を心配しているドバトも、今日は7羽で採餌。

 

帰りがけ、またユリカモメの群が川面に降りていた。

 










Posted by Ru Na - 2015.01.19,Mon
1月18日は、午前がお城の庭園での探鳥会、午後からは新年会が行われた。
朝まで雪が舞っていたが次第に天気は回復、日差しが眩しいくらいになった。

       

探鳥会の参加者も多かったが、お城の庭園は観光客でいっぱい。
方々でマイクを通したガイドの声、旗印に従うグループがぞろぞろ歩いていた。
案の定、出現した鳥の種類は少なかったが、シジュウカラの群が活発に活動。
それに混じってヤマガラも多く見られた。

  

久しぶりのヤマガラ。この庭園にはいつもヤマガラが沢山いるのに、
何故か去年は見かけなかった。どこに行っていてどこから戻って来たのだろう。
皆が注視していても平気で、木の上で熱心にお食事していた。

 

朝まで降っていた雪の名残。

         

光が射して気持ち良さそうな池の鯉たち。

 

珍しく霞が池にコガモが来ていた。

 

午後からは会場を移して、日本野鳥の会石川の新年会。
手作りのお料理を食べながら、去年1年間に石川県で確認された野鳥の
リストアップや野鳥ゲーム。
ヨタカの研究者による、ヨタカの生息域に関する研究発表もあった。

    

新年会の後、下流に向かう。
工事区間はまだ草刈がされただけ。
今日は気がかりなカンムリカイツブリがいつもの場所にいなかったが、
河口近くでは、カンムリ・ファミリーが、いつものように出迎えてくれた。

 

ハジリカイツブリにもまた出会えた。

  

おなじみのキンクロハジロたち。

 

その間を、ひょこひょことバンの若鳥が過ぎって行った。

  

 
    




Posted by Ru Na - 2015.01.15,Thu
ガンカモ調査の翌日13日の午後から、サギのコロニーと
その上流区間の工事の説明や話し合いを、現地で施工業者も一緒に
河川課と行った。

行く途中、気がかりなカンムリカイツブリの様子を見に行く。
カンムリは同じ場所にいて、嘴の上の物体は着いたままだったが、
元気そうにしていた。安心して先を急ぐ。

 

コガモと一緒に休んでいたカワアイサ。後姿も美しい。

 

去年の河川工事でお気に入りの木が切られてしまい、今年はもう
この場所に来ないかもしれないと思っていたツグミがいた!

 

木は無くなったけれど、河岸の草に居場所を見つけたらしい。

集合時間までまだ間があったので、サギコロニーに打たれた杭を確認したり
していたら、対岸のマガモにに小さな白い子が混じっていた。
何とミコアイサ♂ !

 

年に一度くらいこの付近に来るらしいとは聞いていたが、何とラッキー!

工事は3つの区間に分かれていて、其々業者が違う。
まず問題のサギコロニー右岸に行って、中州の手前の右岸をどれだけの幅で
掘削するか話し合う。
工事予定が出来た9月の現地立会いで、河川課が示した図面では
相当幅が削られる事になっていたが、その後も河川課に電話したり
写真資料を持っていったり、右岸と中州の間が離れすぎるとサギたちに
不都合になると主張し続けた事をもう一度主張。
河川課もこの区間については最終決定をしていなかったので、
その場で中州と右岸との間に通す水路の幅を決めた。
切られるのを心配していた木も残ることになった。

   

水路がはっきり残っている中州の下流部分も、その幅が結構広げられることに
なったが、それでも思っていた最悪の状態より掘削部分は少なくなった。

サギコロニーの上流区間は河川敷が広く、中州が沢山出来ている。
去年の大規模な河川工事でも、この場所だけは豊かな緑に覆われて、
真夏の暑い日も澄んで甘い香りの空気がひんやりとしていた。

   

ただ長年溜まった土砂で川幅が狭い場所もできて、増水時に勢いづいた水が
左岸の土をどんどん削ってゆくので、工事が必要なのは納得していた。
右岸の施工業者に、ここをこのようにあそこの杭まで掘削する、
向うの木立は残るが、この木は切らざるを得ない・・等々
詳しく説明を受け、了承。必要以上に草木を刈らないことは念押しした。

左岸へ。こちらは特に河川敷が広く、草が茂る季節には入っていけない場所に
踏み込んで、水際の状態を見る。写真の木や水溜りは残される場所である。

   

枯れ草と蔓が幾重にも重なったふかふかの上を進むのは、結構骨が折れたが、
普段は歩けない場所を歩くのは、一寸素敵な心持にさせてくれた。

    

この区間の業者さんも、工事する水際以外の草木には絶対手を付けないと、
とても協力的で信頼が置けそうだった。
秋には一面のススキ野原になる風景が壊される心配もなくなった。

河川課と3業者に、用意したこの川で見られる野鳥の映像集のDVDを渡し、
―工事している間にもきっといろんな鳥に出会えますよ。
 デスクワークしている人より、面白い光景に出会えるチャンスも多いと
 思うので、せっかくだから気をつけて見られるといいですよ。
と、伝えた。1時半から4時半近くまで冬枯れの叢を歩き回ったのだった。

我々が歩きながら話す間も、いろんな鳥が現れては飛び回っていた。
アトリの群、草に飛び込むキジやアオジ・・、ちょっとした鳥見もできた。







Posted by Ru Na - 2015.01.14,Wed
12日は日本野鳥の会会員が全国で一斉に、ガンやカモ類の調査を行った。



県内の調査地域は12箇所。その内の一箇所である中流域は8つの橋間である。
そこを今年は二手に分かれて、下流のエリアは私も含め4名で歩いた。

      
朝から雪やみぞれの寒い日。時折それも止んで空も幾分明るくなってきた。
雪の中でも活発なカワアイサ♀。

 

潜るのに夢中なホオジロガモ。

キンクロハジロはお休み中。

水鳥だけでなく、観察された他の鳥も記録する。寒そうなアオサギ。

 

久しぶりに会ったイソヒヨドリ♀。

 

工事のせいで、以前に比べ鳥の数は減ったが、このエリアのメンバーは
おおむね揃っている。
コゲラ、シジュウカラ、ジョウビタキ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、
ハシボソガラス、トビ、カワガラス、ハクセキレイ、セグロセキレイ・・。
一時期いなくなったコガモも、また戻って来た。

橋の下では流れ落ちる雪解け水が、こんな造形を見せていた。

  

解散して出発地点近くまで戻ると、ユリカモメが20羽!
近年この川にユリカモメはあまり来なくなったので、こんなに沢山集まるのは
何年ぶりだろう。
降る雪に薄日が差して、純白のユリカモメの群が漂う水面はキラキラと明るかった。

 

調査で下流の方に行った時、カンムリカイツブリが1羽でぽつんといるのを発見! 
年末に3日間だけ来てくれたカンムリちゃん、実はこんな所にいたとは。
調査の途中なので、何だか様子が変だけれどゆっくり立ち止まるわけにはいかず、
カンムリに挨拶して、写真を数枚だけ撮った。
帰りにまた会うと、カンムリは首を羽に突っ込んでぷかぷか漂っていた。
また会いに来るねと、家に帰り撮影した写真をズームしてみたら・・・

   

嘴の根元から両頬にかけ、糸状のものがカンムリの顔を締め付けている!
嘴の上部には、オレンジ色の小さな物体が付着している。
釣り糸が絡まったのかもしれない。それで水をゲーゲー吐き出すような
動作をしていたのだと判った。

可愛そうなカンムリカイツブリ。ずいぶん辛かろうとすっかり動揺し、
これは何とかせねばと、一緒に調査したベテランに電話。
ー捕獲して保護しない限り、何の手当てもできない。
 しかし野鳥の捕獲は簡単にはいかず、ほぼ無理だろう。という答え。
ネットでいくら調べても、保護できた野鳥を連れて行く機関はあるが、
捕獲する専門の部署が見つからない。

半分パニック状態に陥った私は、能登の方の調査に出ているベテランの先輩
(いつも野鳥に関する問い合わせに小まめに答えてくださる人)に
電話したが繋がらない。
とりあえず、金魚めだかのいつものお昼の世話と、庭の鳥たちの食事の補給と、
自分の昼食を大急ぎですませ、また先輩に電話したらやっと繋がった。
やはり県には野鳥を保護のために捕獲できる専門員がいないとのこと。
ーしばらく様子を見るしかない。弱ってきたら捕獲ができるかもしれないが、
 その頃には大分体力がなくなっているかもしれないので、助かるかどうか。

翌日のサギコロニーやその上流区間の工事の現地話し合いの準備が
まだ沢山残っているが、飛ぶように様子を見に行った。
カンムリの所に通って、話しかけ、なるべく一緒に過ごして、
私に近づいて手を触れさせてくれるくらい安心して慣れてくれたら、
釣り糸らしいものをはずしてあげられるかもしれない。

カンムリは同じ場所にいた。
話しかけて写真を撮り、カメラのモニターでズームしてみたら、
顔の線が消えていた!

 

嘴の上にくっついたものはそのままだが、顔を締め付けていた糸状のものは
何とか自分ではずせたらしい。
カンムリの表情も明るくなっていて、羽づくろいしたり水に潜る様子は、
元気な通常のカンムリカイツブリに戻っていた。
もう嬉しくって、河岸で雨の中、差した傘の下にしゃがんだまま、
カンムリに話しかけては、長い時間見守っていた。
途中でちょっと買い物に行った以外は、ずっと夕方暗くなるまで
カンムリの側に付き添っていた。カンムリも安心したようなくつろいだ
表情を見せてくれて、いっそう愛おしく、何とかこの子を守らねばと
思ったのだった。

夜はほぼ徹夜で、明日持っていくつもりの工事区間の野鳥に関する
資料のDVDを仕上げた。
内川で上映した映像作品“鳥とりどり”の、鳥の名前入りのバージョンを作り、
入れられなかった鳥の単独映像を、何本か補足として加えるため、
このところずっと掛かりっきりになっていたもの。
どうしてもルリビタキの映像を入れたかったのに、手振れだらけのシーンを
うまく修正編集できず、ぎりぎりまでやっていたが、間に合わないと
ついに諦め、DVDケースのラベルを作るのにまた時間がかかり、
結局徹夜状態が数日続いたあげくのガンカモ調査参加だった。





Posted by Ru Na - 2015.01.05,Mon
年末年始、無料開放をしていた城の庭園。

  

3日目の午後、しばらく青空がのぞいた。
どの池も水面がほとんど雪で覆われ、水鳥もいなければコイも見えない。

 

  

     

  

  

雪に埋もれた植え込みから、飛び出してきたのはルリビタキ♀。

 

この他にも久しぶりのアカウソに出会えた。

 





Posted by Ru Na - 2015.01.01,Thu
    明けましておめでとうございます。

 



  昨夜から降りだした雪は、大雪になり
  庭にはメジロ、ウグイス、シジュウカラ、ヒヨドリが
  入れ代わり立ち代り来て、ミカンやバナナを食べるのに大忙し。

                                              
    
 すっかり雪に埋もれた川の幻想的な光。

     


 


 


Posted by Ru Na - 2014.12.31,Wed
どうも時間の流れる速度は一定ではない。
川の流れのように、ある箇所ではたゆたい、または淀み、
別の箇所では瀬を早める。
日々の過ぎ方は人其々なのに、12月だけは一様に足早である。
冬至に向かって昼が少しづつ短くなっていたものが、
この日を境に急に日暮れが遅くなる。
クリスマスと正月が接近しすぎているのも、更に気を慌しくさせる。

冬至の日はひどく荒れ、日没までまだ間があるというのに、
厚い雲が空を覆って、風景は露出を絞りすぎたような色をしていた。

  

束の間、雲の切れ間から落日の夕映えが、暗い川面に射した。

  

キリストの誕生日が25日に決められたのも、一番暗い日の後、
陽光が復活してゆくという意味が込められているという。

            

クリスマスはやはり単なるお祭りではなく、1年のうちの特別な祝祭。
J.S.バッハのクリスマスオラトリオのCDをかけ、つつましい会食をした。
今年もヨークシャーの叔母が、シュトレンとクリスマス・プディングを
送ってくれた。金粉をまぶしたアーモンドが乗っている。

  

クリスマスの前、近所の川にカンムリカイツブリが現れた。
昔はもっと上流にいたこともあるが、下流からここまで来るのは
近年なかったことである。



カンムリが現れた日は、私にとって特別なこの鳥が、こんなに近くに
いることが嬉しくて、眠れないくらいだった。
このまま居ついてくれるだろうかと、わくわくしていたが、
カンムリカイツブリは、たった3日で行ってしまった。
4日目の地元紙朝刊に、今冬も近所に現れた希少種の水鳥の記事が載ってしまい、
その日の午前中、大勢の人が詰め掛けて居心地が悪くなったのか、
午後には他の水鳥と共に姿を消した。その日以来、川はガランとしている。

希少種の情報は、完全に居なくなってからでなければ公表しない、
という鉄則があるが、ただ珍しい鳥の写真を撮って自慢の種にしたいという、
そんな人間が増えてきて、鳥の気持ちも考えず、追い回す事がかれらにどんな
ダメージを与えるか想像すらせず、野鳥の生活を平気で踏みにじって、
その生息域をますます狭めている。

年末、久々に会ったドバト。この普通の鳩が激減している。

 

野鳥仲間でさえ、このドバトには気を払っていないようだ。
私は外に出る度ドバトの姿を探しているが、下流の橋近くで
一度に6羽に見た12月28日以前の100日間、10羽も見つけられなかった。
ヨーロッパでは、鳩が群れる光景は、街や広場の美観の一部になっていて、
歴史的な建造物や街角の彫刻に、巣を作ろうがフンをしようが、
鳩が一緒に生活しているのが当たり前という寛容さがあるのに、
日本では邪魔者扱い。方々で追い立てられ、餌をあげる人は非難され、
この人懐こい優しい鳥が減っている事すら気が付いていない。

12月はずっと天気が悪かったが、それでも自転車で河口近くまで
走れる日が数日あった。
耕作地の電線にずらりと並んだスズメ。まるでスズメのネックレス。

    

こんなネックレスなら着けてみたい。



件の希少種と似ているため、希少種探しの鳥カメラマンに
この冬も追いまわされているカワアイサは、いつも居る場所から
姿を消し、今までいなかった所に移動していた。
ここもじきに見つけられてしまうだろう。どうかそっとしておいてあげて。

 

川まで来たウミアイサ。カワアイサの嘴の先が下に曲がっているのに対し、
こちらは真っ直ぐである。まだ若そうなつがいだった。

 

1月、サギコロニーとその上流区間の工事が始まる。
年明け早々に、今度は施工業者も一緒に現地立会いをする。
工事の事を考えると、お正月どころではない落ち着かぬ年末年始である。



 皆さま、良いお年をお迎え下さい。











Posted by Ru Na - 2014.12.21,Sun
20日の中流域鳥調査。朝は寒波や雨雪の一休止で、薄日すら射した。
行く途中の河岸の桜には、シジュウカラとコゲラが。
何だかとても忙しげで、コゲラはこんな至近距離に人がいてもお構いなしに、
ひたすら幹をつついて、雪の合間の食べ貯めに勤しんでいる様子。

 

雨は午後からのの予報だが、早くも曇りだした空。
河岸の遊歩道はまだ雪に埋もれて、冷凍庫の中のように底冷えがする。

      

お馴染みのイカルチドリもいつもの場所に。

  

鳥たちは天気が崩れる前にやる事いっぱいあるのと、とても活動的だった。
カルガモは飛び回り、マガモやコガモ、カワアイサ、セグロカモメ、
それに沢山のカワガラス。
ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、シロハラ、ホオジロ、モズ、カワラヒワ、
シメ、キジバト、セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイ・・・・・
そして、アオゲラ!
アオジやホオジロ、黄色がきれいなミヤマホオジロも姿を見せてくれた。

  

上流まで来ると、崖下の急な斜面にノウサギの足跡。

  
途中から雨が降り出し、身体はすっかり冷え切った。
帰り道、キジが大急ぎで雪の上を走るのを見ていたら、
木々の間を行き来するアオゲラのつがいに、また出会った。

 

ヌルデの実を一生懸命食べている。
普段は幹をつついて虫を食べるキツツキ科。「木の実も食べるの?」
「もちろん!これとっても美味しいのよ。」

 

ダイサギが昨日と同じ場所にいた。

 







Posted by Ru Na - 2014.12.17,Wed
バロック時代の楽器、クラヴィコードによる室内楽コンサートを
県立音楽堂に聴きに行った。

クリスマスツリーが飾られたエントランス。

   

            

J.S.バッハとその次男で、今年生誕300年のC.P.E.バッハの鍵盤曲のプログラム。
演目を新聞で見た時、これはどうしても絶対聴きに行かねばと思った。
なにしろ、C.P.E.バッハの、「専門家と愛好家のためのクラヴィーア集」
とあったのだから。

バッハファミリーの中でも、C.P.E.(カール・フィリップ・エマニュエル)の
シンフォニアは、特に好きだった。
私が持っている音楽史の本には、この曲集の一曲の楽譜が載っている。
その魅力に取り付かれ、もっと他の曲も弾いてみたい、
何より楽譜だけで知っているこのソナタを、プロが演奏するものを聴きたい
と、楽譜やCDを探したが、楽譜は手に入らないし、第1集、第3番が入った
CDもなかなか見つからなかった。

  

それでも徐々にCDは集まり、楽譜は別のソナタ集が2冊がようやく手に入った。

  

コンサートは普段オーケストラが演奏するステージ上に、
楽器と奏者を囲むように客席が設けられた。

       

クラヴィコードはバロック時代の鍵盤楽器で、とても簡素な顔をしている。
「とても音が小さいのです。どのくらい小さいかちょっと弾いてみましょう。」
と、小林道夫さんは平均律第1集1番のプレリュードを弾き始めた。
本当に小さな小さな繊細な音。
どうもこの楽器は、周囲に気兼ねなく弾けるように、家の中の練習用に
用いられたらしい。
「J.S.バッハの奥さんのアンナ・マグダレーナも息子たちも、きっと
この楽器で練習したのでしょう。」と小林先生。

  

音を少しだけ増幅させるスピーカーをクラヴィコードの下に置いて、
前半はJ.S.バッハの曲。
「グレン・グールドの方式に従って」インヴェンションとシンフォニアの
同じ調の2声と3声の曲をセットにして6曲。
平均律第1集から2曲。
最初の第8番は、私が始めて作った映像作品に使ったもので、
この曲を聴くと、雪が降りしきる川のキンクロハジロの姿がつい浮かんでしまう。
次の第13番も、これまた映像作品に使っている。
そして、フランス組曲から第5番。本当に素敵な演奏だった。

間の小林道夫さんの説明がとても面白く、一般向きのコンサートにしては
結構専門的なことも話されるので、もっと聞いていたいくらいだった。

コンサートの前後や休憩時間には、クラヴィコードに近寄って
撮影することも出来た。

  

鍵盤の数は少ないが、大方のバッハの曲はこれで足りるという。

  

後半はC.P.E.バッハの曲。いよいよ「専門家と愛好家のための・・・」
第1集のソナタ第2番。
CDで聴くチェンバロによるものより、もっとかそけき音の繊細さは、
何とも美しかった。

2曲目は、C.P.Eが長年愛用をしていたクラヴィコードを、
彼の熱烈なファンに贈ることになり、いざ手放すとなると愛惜の曲を
作りたくなって書かれたというロンド「さらば、我がジルバーマン・クラヴィーア」。

3曲目は、「スペインのフォリアによる12の変奏曲」。
同じフォリア変奏曲でも、コレッリやマラン・マレよりずっと軽快であった。

  

日本ではあまりポピュラーではないC.P.E.の曲が聴ける機会が
もっとあればいいのに。
グレン・グールドは、ソナタの1曲を録音していて、
彼の音楽をもっと世に広めたいと思っていたらしい。








Posted by Ru Na - 2014.12.15,Mon


河口近くの広い川面に浮かぶホシハジロの群を眺めていたら、
この近所に住むというおじさんが話しかけてきた。
川幅が今の半分だった頃、大雨による増水で何度も浸水した事、
いろんな話を聞いた。

ー夜中に逆巻く川の水音を聞くのは本当に怖かったよ。
 今はもうその心配がないけれどね。
 子供の頃は、しょっちゅう水が溢れる細い川の側に住んでいて、
 大水が出るとなると、村の者みんなですばやく対応したものだ。
 こういう場合の手順や方法など、みんな知っていた。
 役所はただ工事するけれど、工事しっ放しで昔の知恵を生かそうという
 気が何もないし、耳もかさない。-

この区間の右岸は、何年も工事が続いていて、去年の秋からは
半年以上堤防上の遊歩道も閉鎖され、迂回路を通らざるをえなかった。
ようやくフェンスが取り除かれ、工事はやっと終わったのだと思っていたが、
左岸の工事はこれからで、コンクリートブロックでずっと岸を覆っていくと、
最近の住民説明会で聞いたと、おじさんは言う。
また右岸の遊歩道も、もっと内陸にずらすのに、既に用地を買収してあるらしい。

延々と続く工事。これだけ川幅が広くなって、周囲の木も無くなったのに、
更に手を入れなければならないのか?
洪水対策は歓迎しているこの地区の住民のおじさんも、
昔のように自然の木が生えていない風景はつまらなくなったと言う。

 9月に撮影した写真。左は工事が終わった右岸、右は右岸から見た左岸の岸辺。



水鳥たちは段差のある右岸より、岸に上がり易い、左岸の水際まで土がある
場所近くにいつも集まっている。
かれらが生活するには、こういう地形が必要である。

   

左岸の上流にある橋の下で行われている工事は、橋の補強だとばかり思っていたが、

   

下流の橋近くにも、コンクリートブロックが延びている。

   

これが繋がると、いくら広々と水がたっぷりある場所でも、
水鳥が住める環境ではなくなってしまう。
何年か後に岸近くに少し土が溜まり、草が段差を無くすくらい
生えるのでなければ、鳥も寄り付かない死んだ川になってしまう。

キンクロハジロとホシハジロ。いづれも♀。

 

左は色白のお嬢さん。

 

河川課と話しをしようか、しかしもう何年も前に決まったらしい工事予定、
電話しても門前払いを食うだけでは、など思いをめぐらせていたら、
さらにショックな話が続いた。

ー毎年この付近でカモを狙って猟銃を撃つ者がいる。
 県や市にいくら言っても、彼らは狩猟の免許を持っているし、
 この2つの橋の間は禁猟区になっていないので、どうしようもない。
 鉄砲の音がする度に警察に電話はしているが・・・・。―

  

マガモが狩猟対象になっていることは知っていた。
後で調べてみると、ここに集まる水鳥の大半が銃猟対象だった!
キンクロハジロやホシハジロ、コガモ、カルガモ・・・・。
ぴゅう、と可愛い声で鳴いているきれいなヒドリガモも、

 

たまに現れるとバードウォッチャーが大喜びするヨシガモやオナガガモ、
ハシビロガモ・・・・めったに会えないスズガモやクロガモまで入っている。
それに、カワウやゴイサギも・・・。
増えすぎて農作物の食害をもたらしたり、森林の荒廃の原因になったり、
人に危害を与える野生動物の個体数の管理のための駆除は、
私は賛成は出来ないがある程度は仕方が無いのか、と思っているが、
こんなカモ猟なんて、ヒトの娯楽のための殺生ではないか。

中流域から河口まで河川工事に継ぐ工事で、水鳥たちの居場所が
極端に減少した。
この辺りは工事も終わり、やっとかれらが落ち着いていられる貴重な場所
になったと喜んでいたのに、安心どころか危険地帯というのが判ってしまった。

いっそ両岸が全てコンクリートになって、水鳥が寄り付かない場所になった方が、
かれらにとって安全かもしれない、と考えざるをえないのは、
なんともやるせない事である。










Posted by Ru Na - 2014.12.12,Fri
河口近くの2つの橋の間、ここは川幅も広く、ゆったりと水面は空を映す。

  

ここはかって、河岸にびっしり木が生え、枝の隙間から中州までの
細い川面を垣間見る、という場所だった。岸に係留した小船が連なる
風景は、なかなか素敵だった。
そのうち小船の渓流は禁止となり、何度も工事された結果、
川幅も広げられ、中州も岸の木は全て取り除かれた。
それでも河岸は緑の草に覆われて、心地よい景観を作っていた。
上流から下流を望む2年前の様子。
   
下流の橋から上流を見た風景。川の中に緑の道が出来ていて、
水鳥たちのお気に入りの場所になっていたし、変化に富んだ地形は
ヒトの目にも美的に映っていたはずだった。

   

しかしこれは、工事の過程で偶然残されたものだったことが後で分かる。
2年がかりの大工事で、この場所も消滅してしまった。
右岸は水際にコンクリートブロックが敷き詰められ、
水面との間に段差ができている。水鳥が岸に上がるには高すぎる。

   

この区間の工事はほぼ終わったものと思っていたし、
河川課の去年までの現場主任さん(この春、別の地域に転勤になった。)も、
そう言っていたので、後は河岸に早く草が茂るのを期待していた。
  
11月末ここに来る度、日替わりでいろんな冬の水鳥に出会った。

 

 

 

上からハジロカイツブリ、オナガガモ、ミコアイサ♀。
みな近郊の潟などに行く途中、一日だけ立ち寄ったものらしい。
いつも大抵いるのは、オオバン、ホシハジロ、キンクロハジロ、ヒドリガモ、
マガモ、コガモ、カルガモ、カイツブリ。

    

河口の森のカンムリカイツブリも、ここまで来ていることが多い。
 
 










Posted by Ru Na - 2014.12.12,Fri
いきなり雪に埋もれた河岸。こんな状態だったので自転車には乗れず、
歩ける範囲を歩き回って、冬景色を堪能していた。

     

水際の草では、ホオジロやジョウビタキが可愛い顔をのぞかせた。

 

近所でこの冬初めてツグミにも出会った。やっと来てくれた。

 

続く雨で雪が融けはじめ、遊歩道はまだら模様。

  

10日はそれも消え、雨雪なしの貴重な一日。久しぶりに下流に向かった。
カワアイサの泳ぐ姿が、流れる様に美しい。

 

道端に残る雪の陰が青い。

   

この日は方々でモズに出会ったモズ日和。

 





  
Posted by Ru Na - 2014.12.06,Sat
12月に入って悪天候が続いている。
雨、また雨。台風並みの強風。気温も低い。
週間天気予報に雪マークが見えてきたから、ぽつぽつと庭の冬支度を
始めているが、どうせこの時期、降っても大したことはあるまいと、
まだ本格的な池の金魚のための防寒、庭木の積雪対策をしていなかったら、
5日午後、ぼたん雪が積り始めた。
降りしきる雪の中、あわてて庭木の補強などしてから、
川原の様子を見に行った。もちろん真冬用の長靴をはいて。



まったくの冬景色。



人っ子一人いない河岸に白い雪が舞う。
先日からここまで上がってきたカワアイサ、今日は7羽に増えていた。



冬の川の友、カワガラス。こんな降りしきる雪でも、呼んだら出てきてくれた。



日暮れが早い。積もりたての雪に包まれて、街路樹が淡く発光する。



街灯に透かされて、幻想的な絵を描いていた。









Posted by Ru Na - 2014.11.27,Thu


11月は長い旅のようである。

11月9日、ベルリンの壁崩壊から25年。
ベルリンにはいろんな想いがある。あれから四半世紀経ったとは。

世界に対していつも、わくわくする視点を教えてくれた
赤瀬川原平が亡くなった。

何かしら心に染みるたたずまいの、最も尊敬する俳優の一人である
高倉健も逝ってしまった。

香港の民主的選挙を求める学生たちの抗議活動が、
強制的に排除されようとしている。

意味不明の衆議院解散。

安全性を置き去りにした原発再起動への動き。
何のため?リニア新幹線。日本の山野をここまで破壊したい?
少子化の時代、これから人口が減るというのに、
いつまで経済発展の狂想曲を続けるつもり?
狭い土地に増えすぎたヒトの数が、自然界で丁度よいバランスの数に
なるのは好ましいと私には思える。
かろうじて衣食住が足り、自分の活動に必要なものがある程度あれば、
それ以上の富は求めず、経済効率や成長神話に踊らされず、
これ以上自然を傷つけず、心豊かに暮らす事はできないものか。

11月始め恒例の、竹林での展覧会が終わった後、
渡るサギの最後の1羽を見送ってから、川を河口まで下る日々。
今年最後の池の水換えも終えた。








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