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Posted by - 2024.04.18,Thu
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Posted by Ru Na - 2014.12.15,Mon


河口近くの広い川面に浮かぶホシハジロの群を眺めていたら、
この近所に住むというおじさんが話しかけてきた。
川幅が今の半分だった頃、大雨による増水で何度も浸水した事、
いろんな話を聞いた。

ー夜中に逆巻く川の水音を聞くのは本当に怖かったよ。
 今はもうその心配がないけれどね。
 子供の頃は、しょっちゅう水が溢れる細い川の側に住んでいて、
 大水が出るとなると、村の者みんなですばやく対応したものだ。
 こういう場合の手順や方法など、みんな知っていた。
 役所はただ工事するけれど、工事しっ放しで昔の知恵を生かそうという
 気が何もないし、耳もかさない。-

この区間の右岸は、何年も工事が続いていて、去年の秋からは
半年以上堤防上の遊歩道も閉鎖され、迂回路を通らざるをえなかった。
ようやくフェンスが取り除かれ、工事はやっと終わったのだと思っていたが、
左岸の工事はこれからで、コンクリートブロックでずっと岸を覆っていくと、
最近の住民説明会で聞いたと、おじさんは言う。
また右岸の遊歩道も、もっと内陸にずらすのに、既に用地を買収してあるらしい。

延々と続く工事。これだけ川幅が広くなって、周囲の木も無くなったのに、
更に手を入れなければならないのか?
洪水対策は歓迎しているこの地区の住民のおじさんも、
昔のように自然の木が生えていない風景はつまらなくなったと言う。

 9月に撮影した写真。左は工事が終わった右岸、右は右岸から見た左岸の岸辺。



水鳥たちは段差のある右岸より、岸に上がり易い、左岸の水際まで土がある
場所近くにいつも集まっている。
かれらが生活するには、こういう地形が必要である。

   

左岸の上流にある橋の下で行われている工事は、橋の補強だとばかり思っていたが、

   

下流の橋近くにも、コンクリートブロックが延びている。

   

これが繋がると、いくら広々と水がたっぷりある場所でも、
水鳥が住める環境ではなくなってしまう。
何年か後に岸近くに少し土が溜まり、草が段差を無くすくらい
生えるのでなければ、鳥も寄り付かない死んだ川になってしまう。

キンクロハジロとホシハジロ。いづれも♀。

 

左は色白のお嬢さん。

 

河川課と話しをしようか、しかしもう何年も前に決まったらしい工事予定、
電話しても門前払いを食うだけでは、など思いをめぐらせていたら、
さらにショックな話が続いた。

ー毎年この付近でカモを狙って猟銃を撃つ者がいる。
 県や市にいくら言っても、彼らは狩猟の免許を持っているし、
 この2つの橋の間は禁猟区になっていないので、どうしようもない。
 鉄砲の音がする度に警察に電話はしているが・・・・。―

  

マガモが狩猟対象になっていることは知っていた。
後で調べてみると、ここに集まる水鳥の大半が銃猟対象だった!
キンクロハジロやホシハジロ、コガモ、カルガモ・・・・。
ぴゅう、と可愛い声で鳴いているきれいなヒドリガモも、

 

たまに現れるとバードウォッチャーが大喜びするヨシガモやオナガガモ、
ハシビロガモ・・・・めったに会えないスズガモやクロガモまで入っている。
それに、カワウやゴイサギも・・・。
増えすぎて農作物の食害をもたらしたり、森林の荒廃の原因になったり、
人に危害を与える野生動物の個体数の管理のための駆除は、
私は賛成は出来ないがある程度は仕方が無いのか、と思っているが、
こんなカモ猟なんて、ヒトの娯楽のための殺生ではないか。

中流域から河口まで河川工事に継ぐ工事で、水鳥たちの居場所が
極端に減少した。
この辺りは工事も終わり、やっとかれらが落ち着いていられる貴重な場所
になったと喜んでいたのに、安心どころか危険地帯というのが判ってしまった。

いっそ両岸が全てコンクリートになって、水鳥が寄り付かない場所になった方が、
かれらにとって安全かもしれない、と考えざるをえないのは、
なんともやるせない事である。










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金沢市在住の美術家
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