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Posted by - 2024.04.26,Fri
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Posted by Ru Na - 2015.08.21,Fri
3年前亡くなった吉田秀和さんのラジオ番組「名曲のたのしみ」から、
過去の番組を編集したスペシャル特集で、
待ちに待ったベートーヴェン・シリーズが、17日から四日間放送された。

  

美術や音楽には、記号的な言語、いわゆる話したり読み書きに使う“言葉”ではなく、
造形言語、音楽言語と言えばいいような別の言葉がある。
造形作品を制作する時は、“言葉”ではなく色や形や線や空間で思考するし、
音楽を奏でる時は音の流れそのものが思考になる。

ベートーヴェンの音楽は、世界や人間のあらゆることが詰まっていて、
汲めども尽きぬ泉のような、私にとっても常に特別の存在である。
1曲のピアノソナタを楽譜と指と鍵盤で追う時、
感情の流れや時や人生の移ろい、実存の根源といったような多くのもの
がたち現れ、変容しながら収斂し、泉の最も澄んだ光に導かれる想いがする。

昔よく、無人島に持って行きたい1枚のレコードは?なんて
友人同士で話していたが、無人島に持って行くなら、
私はベートーヴェンの32曲のピアノソナタの楽譜の方を選びたいと思った。
(後にバッハの平均律全曲の楽譜も捨てがたくなったが。)

  

音で思考していても、名状しがたいものを“言葉”に置き換えて
表現したくなるのも、人の常である。
また、他の人がどのようにその音楽を受け取っているかも
知りたくなる。
吉田秀和さんの評論は、深い感受を更に深く掘り下げて、
“言葉”とは別の領域に存在するものを、的確で誰にでも平易な“言葉”に
置き換えて、自分の感受をうまく“言葉”に出来ずにもどかしい思いを
している我々に見せてくれる。
そして、はっとするような新しい視点に気付かせてくれる。



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プロフィール
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Ru Na
性別:
女性
職業:
金沢市在住の美術家
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