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Posted by - 2024.04.19,Fri
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Posted by Ru Na - 2012.05.12,Sat
先日からの6月下旬並みの暑さはどこへ。
私にとってはありがたいことに、空気は春先のような冷たさ。
小雨混じりの中、
「 幻のコレクション 中国陶磁名品展 ─イセコレクションの至宝─ 」
を観るため、県立美術館へと足を運んだ。

resize5203.jpg

名品揃いのイセコレクションの名は聞いたことはあるが、
古くからの美術コレクションだと思っていたら、会場の説明板によれば、
食品のイセグループが文化基金を創設して今年で30年という、比較的新しいものらしい。

古美術から現代美術に至るまで、幅広い作品の収集を行なっているこのコレクションの中で、
中国陶磁は、まだほとんど公表されておらず、
旧安宅コレクションのものだった品も含まれていて、その質の高さのふれこみに、
これは見逃せないと思っていたのだった。

新石器時代の土器から始まり、清朝まで、各時代の器を中心とした陶磁器の展示。
平日の夕方とはいえ、観ている人は少なく、ゆっくりと見て回ることができ、
ため息がでるほど素晴らしい品々を、心ゆくまで堪能した。

resize5228.jpg
北魏時代の官人の小像。
横から見ると、
なだらかな背中のラインが
百済観音像のように
美しかった。
仏像女子が見たら、喜びそう。







resize5201.jpg

 唐三彩の小瓶。
 今まで結構唐三彩は見たが、
 こんな見事な釉の流れは
 見たことがない。
 川端康成全集第1巻の表紙に、
 この瓶の写真が使われたと
 会場の解説にあった。
 旧安宅コレクションのもので、
 川端康成のお気に入り
 だったのだろうと想像する。




resize5229.jpg
 こちらの「三彩女子」は
 割と大きい。
 見事な造りである。
 やはり副葬品なのだろうか。
 せっかくカタログを買ったのに、
 解説が少なく、特に
 作品ごとの説明がないのは
 残念。







bd90549c.jpeg

 

 北宋の青白磁。
 窪みに溜まった釉の
 うっすらした水色が、
 とても美味しそう。

 私は李朝の青磁白磁が好きだが、
 中国のものはつるんとして、
 この気品にも強く惹かれる。



resize5202.jpgresize5200.jpg












明時代の染付けと五彩。いずれも景徳鎮窯。

同じ景徳鎮でも色んなスタイルがあり、時代によっても変わってくるのが、
この展覧会でよく分かった。
清の時代の景徳鎮にはまるで柿右衛門のようなものがあったり、
元祖セーヴル焼きといった風情のものもあった。

常設展示の特別企画でも、「加賀藩主前田家の調度 -唐もの-」をやっていて、
北宋の青磁皿や、景徳鎮の五彩筆箱など、
イセコレクションとよく似た作りのものが見られた。
やはり贅沢が許される向きはみんな、こういったものを側に置きたかったのだなと思う。


私はさほど焼き物全般や、中国陶磁を知っている訳ではないが、
展覧会で並んだこれらが、たいへん上質のものということは判る。
道具、工芸品は使ってこそ生きるものではあるが、
このくらいの水準のものは、個人所有より、誰でも見られる公の財産にすべきと
私は考えるが、もしどれか貰えるなら、どれを選ぶかしら、
古田織部を主人公にしたコミック、「へうげもの」の登場人物ならきっと、
この内の一点を観るためなら、千里の道を馬で駆け、所有するためなら、あるいは
城を明け渡すかもしれないなどと思いながら、美術館を出たのだった。

美術館の裏手の急な階段を降りて帰ろうと、建物の横に回ったら、
「ツー、ツー、ツー」とかすれた声で、小鳥の群が飛んで来た。
頭上の木々の間を飛び回っている。
雨も降っているし、もうかなり薄暗かったが、持参のカメラでズームアップ。
お腹がオレンジ色である。ジョウビタキかしら?
(後でヤマガラと判明。)

resize5239.jpg

ジョウビタキはこんな時期までいるのかしら。
撮った写真を後で見ると、エナガのようなお腹が白い子も一緒に写っていた。

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