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Posted by Ru Na - 2011.03.26,Sat
震災の復興もなかなか進まず、さらに災害に追い討ちをかける様な天候不順で
心も寒々とする毎日だが、それでも春は扉を少しだけ開いて、しのび入ろうとしている。
今年も石川県愛蘭会の展示会が今日、明日の2日間金沢歌劇座で開催されている。


resize2403.jpg 長年東洋蘭の培養をしている父も
 愛蘭会の会員で、何鉢か出品している。
 肌寒い中、展示会を見に出かけた。

 会議室を使った会場には、
 会員の方々が1年かけて
 丹精込めて育てた春蘭が並び、
 それとは分からぬほどの幽かな香りを放つ。





春蘭は元々日本の野山に自生している植物で、私には、日本春蘭、中国蘭の
区別がつかないが、洋蘭に比べてその花はたいへん地味である。
その微妙な色合いと、仄かな香りを愛でる人は多いという。

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異常気象続きの一年で、
会期に合わせて花を咲かせるのに
皆さんたいそう苦労したとのこと。

resize2412.jpgresize2408.jpg











以下は、父がこの展示会の案内のために、地元紙のコラム欄に載せた記事の抜粋。

  中国では古来から、草木の中の「君子」として蘭、竹、梅、菊を「四君子」と呼び、
 その首位に蘭を挙げている。蘭の歴史を少しひもといてみたい。
  蘭の絵を描くことが、文人芸術の一つとして盛んになったのは、今から約千年前の
 北宋の時代からで、中国蘭は、園芸としての長い歴史を誇る。
 花容、葉姿、芳香、ランの鉢に至るまで、愛好者の美意識に磨き抜かれて、
 古典園芸植物というよりは一種の芸術として扱われてきた。
  中国蘭が日本に伝来したのは、鎌倉時代に修行のため中国に渡った僧侶が
 持ち帰ったためと聞いている。
 室町、江戸時代になると貴族や武士、富豪の間で好んで栽培されるようになった。
  明治に入ると一時は下火になったものの、大正、昭和初期から再び古典園芸植物として
 認識され、競って栽培されるようになった。
  昭和の終わりごろまでは、趣味として高くつくため一般には普及しなかったが、
 培養技術の発展により、市場に大量に出回るようになった。
 廉価で買えることもあって、世代を問わず趣味の園芸植物として育てる愛好者が
 次第に増えてきている。
  北陸は、気温、湿度ともに条件が良く、春蘭の培養に適している。
 
resize2404.jpg


 
 我が家の庭は
 ほとんど蘭の作場に占領され、
 庭らしい姿をしていないので、
 いつも文句ばかり言っているが、
 この花の時期が来ると
 春蘭の清楚さに
 改めて感じ入る。




resize2406.jpg


花ではなく、葉の色合いを
鑑賞するものもある。









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会場には春蘭の株、培養土などの
販売コーナーもある。

resize2409.jpg




  花達は株の健康のため
  いいかげんに摘み取られるが、
  摘み取った花を塩漬けにし
  お湯に浮かべれば、
  趣あるお茶になる。



全国の都道府県には其々の愛蘭会があるというが、
今度の震災で東北地方は相当のダメージを受けて、
蘭はみな駄目になっているかもしれないと、父は言う。
山野に自生している蘭の中には、当然変異するものがあって、
愛好家はそういう蘭を探し、見つけ出したものを培養し、
芸術品として育て上げる。
茨木県は何故か昔から突然変異する蘭が多く見つかる土地らしい。
それはおそらく土質や季候のせいなのだろう。
この震災によって生態系も変わり、美しい蘭を生み出してきたその土壌も
すっかり失われてしまうのかもしれない。
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