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Posted by - 2024.04.24,Wed
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Posted by Ru Na - 2011.04.03,Sun
3月3日は全国的に桃の節句だが、その時分まだ雪が降って寒い金沢のひな祭りは、
昔から一月遅れの4月3日であった。
商業的には、金沢の街でも2~3月にひな祭り関連の品が売られるけれど、
我が家では慣習に従って4月に雛人形を飾り、子供の頃はその前で、
3色に染めた寒天や缶詰の果物でおままごとをし、小さな容器に自分で盛り付けた
ご馳走を食べるのは、とても楽しみな事だった。
姪が小さい頃も、近所の女の子と一緒に同じようにして遊んでいた。
子供の頃の母も伯母たちもそうしてきたらしい。

東北を襲ったあまりにも酷い災害に、落ち着かない毎日だけれど、
雛人形は元々厄払いの意味から生まれたもの。
少しは明るさが欲しいと思い、押入れから出して座敷に飾った。
もう小さな女の子はいないから、さすがにおままごとはしないけれど、
おひな様の小さいお道具を、くるんであった紙から逐一出して並べると、
やはり心が浮き々してくる。

我が家のおひな様は、ちいさな古い変わり雛。
子供の頃は、デパートにあるような普通のおひな様がうらやましかったけれど、
同時に、他にないような形が自慢でもあった。

resize2448.jpg

日本橋の白木屋デパート(後の東急デパート)ブランドのデザイナーだった大伯父が
手作りしたもので、なんでも大伯父は、ゼセッション雛と呼んでいたらしい。
ゼセッションといえば、グスタフ・クリムトやオットー・ワグナーが中心となった
世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーンに起こった美術・デザイン運動のこと。
いわゆるウィーン分離派である。
アール・ヌーボーよりデザインのモダン化をめざし、直線と黄金率を重視したというが、
家のキューブ形のおひな様が黄金比になっているかまだ調べたことがない。
ごく小さい頃に一度会っただけの大伯父だけれど、このおひな様を眺めていると
当時の西洋のハイカラなデザインを取り入れて悦に入る大伯父の姿が
何故か目に浮かぶようである。

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Ru Na
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金沢市在住の美術家
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