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Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by Ru Na - 2011.04.09,Sat
最初にあの恐ろしい津波の映像を見てから、ずっと気になっていることがあった。
以前NHKアーカイヴで見た、仙台平野のイグネと呼ばれる屋敷林がある地区、
長喜城の安否である。
農家の家屋敷がこんもりとした雑木林に囲まれていて、さながら森の中の家のようである。
番組を何気なく見ていて、その自然やそこに生きる人々の情景があまりにも素敵で、
途中から思わず録画してしまった。私のお宝映像である。
東北地方の被災の状況が分かるにつれ、ますます気になって調べてみたら、
長喜城は津波で流された遺体が多く発見された若林地区にあった。
私同様にイグネの生活に魅せられていた人が多くいるらしく、
震災直後から、ネット上には長喜城の安否を訪ねる書き込みが相次いだが、
問いへの答えはなかった。

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3月29日の朝日新聞に載った、航空写真を基にした津波被害の地図を
グーグルマップと照らし合わせて、いくら見ても長喜城の辺りはひどく浸水している。
あの美しい森は流されてしまったのだろうか。
映像で見たイグネの中に住む人々が、慈しんで手入れし育てた森には、
住民が集まって花見をする桜もあり、さまざまな小動物や野鳥の巣もあり、
自然と共存する人間の理想的な生活に思えたのだけれど。何と惨い。

後に見つけたネット上の映像では、若林地区の痛ましく荒廃した中にも、
木立が残っている所もあった。
長喜城の皆さんは、無事に避難できたのだろうか。
流されずに残った森で、生活を再建できそうな所はどのくらいあるのだろうか。
私は情報を収集しつづけている。

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平将門直系の殿様がいる相馬市も気になっていた。
家来衆の子孫が、年に一度、先祖伝来の甲冑を着け馳せ参じるという
あの野馬追いの祭りがよく知られている。
殿様は無事で、被災地に援助物資の野菜など配っていたというが、
その他の情報はなく、人と共に馬達もどうしているか心配だったが、
ようやく少し状況が分かってきた。
津波に流されながらも救助された馬も多くいたという話には、ちょっと嬉しくなった。
県外に疎開した馬も多数。しかしいまだ安否の分からない武者メンバーもいるという。
それに、代々大切にしてきた武具を、すっかり失った方々もいるのでは。
そして、野馬追いの会場は、福島第1原発の30km以内に入っているので、
この伝統的な行事の存続も危ぶまれているとのこと。

福島県も、歴史と文化の宝庫。
知れば知るほど、我々が失ったものの大きさに絶句する。


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10ヶ月後の追記 :

 
大震災から早や10ヶ月以上経った。
私の住む北陸は、次々とやって来る寒波で雪に閉ざされている。
仙台平野の寒さは、如何ばかりだろうか。
静かな楽園、イグネのその後を気にかけながら、実際に現地に赴けないこの身が歯がゆい。
塩害から木々を救うための、何らかの対策はあるのだろうか。
この冬、全国的に冬の渡り鳥が少ないそうである。
夏のシベリアの異常低温などの原因も云われているが、震災の影響もあるかもしれない。
森に住んでいた野鳥たちや色んな生きものたちは、どうなっているのだろうか。










追記:1

その後ネット上で、-長喜城の土台は土盛してあるので津波の被害は免れたらしい-。
という書き込みを見つけた。
グーグルマップの航空写真で見ると、確かに木立や家の屋根、
共同で稲の苗を育てているという大きなビニールハウスらしきものが見分けられた。
しかし、グーグルおそるべし。
すでに仙台平野の津波被害の痕跡の画像になっているではないか。
なぎ倒された松林の痛々しい姿や、浸水した田畑の様子がはっきり分かって、
災害の大きさに暗澹としてしまう。








 

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