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Posted by - 2024.04.26,Fri
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Posted by Ru Na - 2012.01.28,Sat
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輪島市が震災瓦礫の受け入れを検討している事に対して、
多くの人同様、私も不安を感じている。

能登地震の時、東北の人にお世話になったから、今度はこちらが助ける番と、
今だ行き場がなくて復興の妨げになっている瓦礫の処分のお手伝いをしましょうという
輪島市長の善意は、とても人道的な発想だけれど、
瓦礫を受け入れた山形市がその焼却を始め、去年12月の時点で、
福島市の14倍もの放射性セシウムが検出されるようになった事、
同じく瓦礫の埋め立てや焼却を始めている東京都では、杉並区の小学校の芝生から
高い濃度のセシウムが検出された事、また12月以降、乳幼児の死亡数が急増している事
など、すべてがデマで震災瓦礫受け入れと全く無関係だとも思えない。

瓦礫が置かれている所の空間放射線量がさほどではなくても、焼却によって
線量が数十倍にも濃縮されるという。
東京都が行なっている(行なおうとしている?)、震災瓦礫と一般ゴミを混ぜ合わせ、
放射線量を低くする希釈の方法は、放射能を広くばらまくことになって、
結果的にはより危険なのでは。

放射能に汚染された瓦礫はなるべく移動せず、放射能が飛散しない高性能の処理施設を
現地に作って処理することが出来ればよいのだが。
仙台市は既に、自分で瓦礫の焼却を始めている。
放射能飛散の対策はされているのだろうか。
津波の被害をまぬがれたのに塩害で苦しんでいる農地に、
さらに放射能の追い打ちをかけることになっては大変だと思う。
それこそ国がきちんと対策をとるべき。

原発事故による放射能汚染が、想像以上に広がっている実例が少しづつ出てきている。
狭い日本の国土で、汚染が比較的少ない所は、極力その状態を維持して、
安全な土地と食材を提供していく役割を果たさなければならないと思う。
この先どんな影響が出てくるか分からない放射能被害を広域に拡げる事は、
何としても避けたいこと。

瓦礫の受け入れが、能登の自然を台無しにしてしまうかもしれない不安に、
声を上げる人が増え始めている。
私も数日前に、輪島市に次のようなメールを送った。

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私は金沢市に在住している者ですが、輪島市長が震災瓦礫の受け入れを表明され、
その準備が進められているていることに対して、たいへん懸念と不安を覚えております。

被災地への善意の想いから生まれたこの計画が、結果的にこの美しい能登の山野や海を、
取り返しのつかない放射能汚染に導くのではないかと、
いてもたってもいられない気持ちです。

いち早く瓦礫を受け入れた山形市はその焼却によって、福島市の14倍ものセシウムが
検出されるようになったということも耳にします。
地震と津波による原発事故が引き起こしている放射能汚染は、
人類が初めて経験する、データーの蓄積もなく、いまだ収束していない事態であります。
暫定的に決められた基準値以下の放射線量でも、この先どのような影響を及ぼしてゆくか
まだ誰にも分かりません。
また、抜き出し検査で安全が確認できるなんて、到底信じられるものではありません。

私の子供の頃、父の仕事の関係で毎年夏を能登で過ごしました。
家族に連れられて能登の方々の地をを回るのが何よりの楽しみでした。
信じられないくらい美しい変化に富んだ海に縁どられた豊かな緑と田畑の風景、
古い家並みの町、入江の小さな集落などの独特な色合いと空気の匂い。
こんな魅力的な風景に、幼い頃から触れてきた幸運をいつも感じております。
その後訪ねた、あるいは住んだ地で、様々な風景に出会いました。
伊豆の海、瀬戸内海、地中海、ポルトガルの海など心惹かれる処は多々ありますが、
いつも心の芯に、能登の、西保海岸や曽々木などの海があって、
他の多くの県民同様、能登は私にとって世界中に自慢したいくらいの宝となっております。
ですから、能登が世界農業遺産に認定された時はたいそう嬉しかったのです。
その貴重な海と里山が、今回の計画で台無しになってしまうのではないかと危惧します。

福島原発事故の放射能汚染の影響が幸いにも少なかったこの地が、
目に見えない(そして、人間の手におえない)放射能に、じわじわと侵されてゆく
可能性を、黙って見過ごすのには耐えられません。
佐渡で放鳥されたトキも定住しはじめ、再び能登の空に多くのトキが舞う時代が来るのを
心待ちにしているのに、放射能はトキが住めるような環境を取り戻そうという努力も
無に帰してしまうような生態系の崩壊も招いてしまうでしょう。

震災瓦礫が輪島市で焼却され、放射能が濃縮された灰がまき散らされることになれば、
時折能登半島を訪ね、新たな美を見出す楽しみも、これでお終いです。

国内の人のみならず、能登旅行がたいへんな人気という台湾の人たちの足も
しだいに遠ざかってゆくのではないでしょうか。
輪島市周辺の海山物や農作物も二度と口にすることができなくなるでしょう。
それは、故郷を永遠に失ってしまうような刺すような悲しみです。

被災地の支援としては、まだ他の方法がいくらでもあると思われます。
例えば、茨木県日立市の「チェルノブイリの子供を救おう会」が行なってきたように、
原発事故の汚染地域に住む子供たちを、汚染の少ない地に招いて
汚染のない食事で1ヶ月間過ごしてもらうという事業は、子供の体内のセシウム濃度を
大幅に減らす効果が認められているそうですね。
汚染の少ない石川県は、そのような場合の恰好の滞在候補地にできるのではないでしょうか。
そして、深刻な汚染を免れた我々石川県人は、その汚染の少ない状態を保ち、
安全な食材を提供し続ける使命と義務があるのではないでしょうか。

石川県民の、日本在住者(様々な動植物も含めて)の健康と安全のために、
どうか今一度冷静に、何がベストであるかの再考を切にお願い致します。


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能登の自然や文化を大切に思う方は
輪島市に自分の考えを述べましょう。
一人でも多くの意見が届けられるのは
大切だと思います。

post@city.wajima.lg.jp


(註) 上のアドレスをクリックして出てくるメールフォームに、直接送っても、
    届かない可能性があります。普通のメールで送りましょう。

 





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