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Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by Ru Na - 2011.10.30,Sun
金沢市の山林地区での産業廃棄物処理場の建設に反対する住民運動に端を発し、
1993年に発足した内川鎮守の森ギャラリーは、今年でもう19回目。
初回から参加している私にとっても、19回目の「内川・野外ワーク」である。
今年は11月3日から始まるこのアートイベントのために、
昨日と今日の2日間、竹林での作品を設置を行なった。


resize3286.jpg

去年は竹林の雑草取りのお手伝いをする山羊たちに囲まれて、
なかなか作業が進まなかったので、今年は実行委員に念押しをして、
気の毒だけれど、山羊さんたちには予め移動してもらっていた。

29日は晴天に恵まれたけれど、蚊の猛攻撃。
30日は時折弱い雨が降る曇天で、暗くなるのが早かったが、
竹林が闇に包まれて何も見えなくなる直前に、何とか設置を終えることができた。

resize3287.jpg


今年の作品のタイトルは、「流された森の再生を願う」。
私の作品には逆三角形をベースにしたものが多いが、
今回は空を指した三角形を、なだらかに上っていく竹林の斜面に交互に並べ、
その両脇に、赤、紅、紫の帯が流れるように空間を形作った。

resize3315.jpg

竹林の中を歩くと、バッタがぴょんと飛び出したり、赤い点々を連ねた水引草が
風に揺らいでいたり、小さな白い花に出会ったりする。
それとは分からぬほどの微かな風が竹を揺らし、頭上の空の白い斑点が
ゆらめいて常にその形状を変化させる。
風と虫の音が醸す静けさ。この竹林の静けさに触れると、
今年も内川の秋の季節が来たと実感する。

3.11の大震災で、津波に呑まれ、あるいは放射能に汚された野や森のことが、
いつも頭から離れない。
伊達政宗が開墾に力をいれたという仙台市若林区にある長喜城の屋敷林、イグネは、
津波を木立がかろうじて食い止めたらしいが、今塩害で木々が枯れ始めているという。
イグネの人々が慈しんできた木々の受難は、人にとっても、
そこに住む小さな生きものたちにとっても、どんなに辛いことだろう。
穏やかな内川の竹林で、野の草や虫やカエルたち、近くで囀る野鳥たちに囲まれて
作業をしていると、東北の大地の自然が塩害や放射能を何とか切り抜けて、
再び瑞々しい緑に覆われる日を、つい夢想している自分がいた。

resize3311.jpg

作品設置のメインの
竹林と、道を隔てて
向かい側は小高い丘。
その高みに取り付けた
作品に、夕刻
竹を透いて届く陽光が
葉の影を落とす。








resize3295.jpg

 




 ざわめく竹叢の背後の
 つんと澄んだ空には、
 明るい半月がかかって、
 山は夕闇に沈み始めた。

















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金沢市在住の美術家
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