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Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by Ru Na - 2014.11.06,Thu

                                                               
2日目、時折雨がぱらつくが、午後からは天気は何とか持ちこたえた。
竹の小径では、唐突に起こるダンスパフォーマンス。

     
自作音楽と共に、ペィンティングライブをしていた作家は、
雨で水彩絵の具がどの様に流れるか興味ある、と言っていたが・・・・・。

    

3日目は激しい雨と共に、落葉が渦を巻くような強風が吹き、
看板が倒れたり、作品の支柱が折れたり、一部が飛ばされたりした人もいた。
休憩所に雨よけのテントを建てる人たち。

     

会場になっている神社の参道に散り敷くイチョウの葉と実。

                                                 
 

幸い私の作品は強風の影響もあまりなく、手直しも少しで済んだ。



風で巻き上がったり倒れかけた作品。

   

 本来はこんな形。
 

年に一度この時期にだけ顔を合わす人に合えるのも楽しみである。
悪天候の合間をぬって、大勢の友人たちが見に訪れてくれた。
10年ぶりに会ったなつかしい顔もあった。
研究者として渡米している古い友人が、ちょうど一時帰国していて、
12年ぶりに会えたのも嬉しかった。

丘や斜面に上る小道が雨でぬかるんで、作品を裏側から見た人は少なかったが、
裏面はこんな縦縞状になっている。




  -これからも、もう少し作品の写真を載せます。-







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Posted by Ru Na - 2014.11.03,Mon
例年、会期中に必ず雨に降られる内川鎮守の森ギャラリー。
週間天気予報では、今年は晴天が続く・・・・はずだったが・・。
会期が近づくにつれ、雲行が怪しくなってきて、
晴れマークがいつの間にか傘マークに変わり、後半は雨嵐になった。

     

開幕の前日まで、暑いくらいの好天の日が多かったのに、
初日は曇り気味。それでも竹林に射す陽光が、竹の緑を淡く揺らし、
ウグイスやシジュウカラ、ヒヨドリもモズのご機嫌な歌が
緑の苑を彩っていた。
作品設置の作業の中もずっと、近くで鳴いたり遊んだりする様子。
どうやら小鳥たちは、この作品を気に入ってくれたようだ。
モズが鳴くので姿を探したら、笹の葉にとまっていたのはヤマガラだった。

   

“竹の小径”に設置した私の作品。タイトルは「線の間-せんのあいだ-」

          

 





空間に何本もの垂直線を引く竹。その節の水平と響きあうように、
色と色の間に白線のスペースを作った。









Posted by Ru Na - 2014.10.30,Thu
10月に入っても今年は雨が少ない。
それでも黒い雲が、日中しばしば、北陸らしいどんよりとした暗さをもたらし、
夕刻の空や川の色彩が、晩秋の気配を漂わせている。

     

川にはいつの間にか冬のダイサギが増えて、夕方コロニーの木立に
夏のチュウダイサギと一緒にとまったりしている。 
夏のチュウダイサギより大きくて、脚の付け根の色が薄い。

  

最近はコロニーの近くの川で群れていることが多いコサギと、
セグロカモメが一緒にいた。
いよいよ川の冬のメンバーが戻り始めている。

  

今年植え替えをしたベンケイソウが、見事な花を付けた。

   

そして、内川鎮守の森ギャラリーの季節が廻ってきた。
2日間かけて、竹林に作品を設置。
ギャラリー花音で上映する、野鳥集の映像作品も、
何とか間に合った。明日開幕である。

  

今回もイベントが盛り沢山。
バス停を茅葺き屋根にするワークショップもある。

     

今年、頻繁に街中に出没して問題になっている熊。
少し前、内川でも目撃情報があったというので、
さりげなく作品に鈴を取り付けてみた。効果あるかしら?

   

   

   







Posted by Ru Na - 2014.07.17,Thu
コンセプチュアル・アートの旗手である川原温が、7月11日亡くなった。
概念芸術と訳されるこの前衛芸術は、60年代から70年代にかけ、
現代美術の華だった。
マルセル・デュシャンに端を発し、“コトバ” や “概念” あるいは、“観念”

という、人間という生きものが独自に持っているものを視覚化した表現方法は、
その後の現代アートに常に大きな影響力を持つ事になる。

ジョン・レノンがオノ・ヨーコと出会ったのも、N.Y.におけるオノ・ヨーコの
個展会場の、コンセプチュアルな作品を通じてだった。
画廊の天井まで届くはしごを登って行って、そこに小さな “yes” という文字を
発見したのは衝撃だったと、後年レノンは語っている。

川原温といえば、いつも定型の小型のカンヴァスに、日付だけを記した
「日付絵画」。大抵の現代美術まで扱う美術史の本に載っているし、
欧米各地の現代美術館に作品が収蔵されている。

中日新聞夕刊の、川原温追悼文を読んでいて、ふと思い出したことがあった。
そういえば昔、偶然に川原温氏と言葉を交わしたことがある。

マルセイユの先輩が、日仏芸術家交流展のため名古屋に滞在して作品制作を
することになった時、何故か適当な通訳がなかなか見つからず、
主催者側に要請されて、私が最初の期間だけ通訳することとなり、
急遽名古屋に出向いた。

   

先輩R.B.が制作していたのは、名古屋市内にある大きな現代アートスペースの
敷地内にある大きな倉庫のような建物内だった。
通訳といっても、先輩と同じホテルの別の階に投宿し、朝ロビーで待ち合わせては
近所の喫茶店で朝ごはんを食べ、バスに乗って仕事場に着いたら、制作助手を
努めていた日本人男性や、スペースのスタッフとの会話を訳したり、
作品の材料を探しに公害の産廃場に行って、そこのおじさんと話したり、
スタッフと夕ご飯を食べる時の会話の仲介をするくらいで、
プレスの取材の通訳といった厳密さが必要な事はあまりなく、
制作の合間の気晴らしに、電車に乗って海を見に行ったり、(マルセイユ人は
海なしでは生きていけない。)いたって気楽なもので、
おまけに、フランスで日本を紹介している本に、パチンコの事をとても
ロマンチックに描写してあるらしく、先輩はパチンコに憧れて、来日早々
店に入ってみたが、想像していたとは違って俗悪な遊び。今では嫌悪している。
なんて言いつつ、私を連れてパチンコ屋に入って、
パチンコの仕方まで教えてくれたのだった。

   

ある日、いつものように制作している先輩の側でぶらぶらしていたら、
倉庫の入り口からハンチングを被った男性が、ひょいと顔をのぞかせた。
口早な小さい声で、「川原温だけど、ちょっと様子を見たくてね。」

   

先輩に対する2,3の質問を通訳したが、残念ながらその内容は覚えていない。
川原温さんはほんの数分制作現場を見、ここによく出入りしている有名美術評論家と
立ち去った。
「今の人の名前をもう一度言って。」と先輩。
「カワラ・オンさん。ほら、あの日付をカンバスに描いて並べる・・・。」
「えっ、本当にあの、カワラ・オン?! 彼の作品は大好きだ。
 もっとしゃべりたかったのに・・・・。」

   

その、R先輩も、もうこの世の人ではない。
今頃天国で、思う存分話が出来ていたらいいのに。



   








Posted by Ru Na - 2013.12.27,Fri
国際交流サロンでの二人展「森の二しずくⅡ」が無事終了。

   

年末で悪天候続の中、足を運んでくださった方々に感謝します。

折しも会期中の24日、クリスマスイヴの日に、フレデリック・バックが亡くなった。
ジャン・ジオノの「木を植えた男」を、繊細な鉛筆画による絵本とアニメーション映画に
制作し、世界中の多くの心に木々への愛情を呼び覚ましたカナダ在住の画家である。

南仏プロヴァンスの、吹きすさぶ強風で焼けた土地に、
(実際プロヴァンスには、その穏やかな気候というイメージとうらはらに
強烈なミストラル-北風-がもたらす厳しい自然がある。)
日々のつつましい祈りのように、独り黙々と団栗の実を植え続け、
森を再生し、その地域の荒廃した人々の心までも蘇生した 無名の羊飼い、
最後まで自分の為す事に気負いもなく、誰に告げるでもなくやり遂げた
一人の男の物語。

      

フレデリック・バックの描く男の、土に種を植えるその無骨な指先の
柔らかさ、優しさ、愛おしさの表現に、いたく心打たれた。
彼の他の映像作品も、人間の文明、産業で瀕死の状態になった地や海や川が
再生する希望を謳っている。

    



私にこの本と映画を教えてくれた友人は、この物語に感銘を受け、
その後砂漠化した土地の植樹運動に参加した。
 丁度その24日、私も工事中の河岸の緑地が少しでも残るように、
河川課に交渉していたのだった。

展覧会場の古い屋敷には美しい庭がある。
自然のままに生う草木と、人の手で管理された日本庭園の樹木は違うが、
この交流サロンの管理人が慈しんで手入れしている木々でさえ、
迷惑だから切って欲しいと、近辺の住民がクレームをつけるという
信じられない話を聞いた。

    

近頃スズメが群をなして木に止まるので、そのうち鳥がうるさいと
文句を言う人がでてくるでしょう、と管理人。
サギのコロニーの記録映像の前で、見に来て下さった人と
防災や工事や自然環境保全などいろんな話しをしたが、
中央公園の木の伐採問題について、「私は伐採が正しかったと思う。」
という意見にも出会った。
日頃色んな生きものに暖かなまなざしを注いでいるその人は、
公園の植え込みが不審者の隠れ場所になったり、
茂りすぎた木が地上を暗くしているのを心配していたのだった。 
木一本についても色んな見方があり、其々が色んな考えを正しいと
思っているのだが、公共事業となると、その折り合いをつける
ポイントの位置が問題なのである。
そして近年ますます「木を植えた男」の対極に偏っている気がする。

展覧会場は蔵のギャラリーがメインだが、
和室の床の間に飾る作品を、作家の意見や希望を取り入れながら、
サロンの管理人がコーディネートするのがこのスペースの特徴である。
専属の華道家が生ける花と調和し、あくまでも「和」の空間の静けさが
保たれるように、作品を設置しなければならない。

今回管理人が決めた3箇所の床の間に、そのために準備した作品のパーツを
自由に設置してよい事になっていたので、
下の作品のように、3箇所すべて立体的に設置しようと考えていた。



ところが、他の2箇所に先ず、奥の面を作る作品パーツを設置してみたら、
これ以上何も要らないくらい、床の間の空間にマッチしてしまった。

 

床の間という和室の特別な場所は、“過剰”より、出来る限り削ぎ落とすことで、
かえってその“場”の美が饒舌になると、改めて目が覚める思いがしたのだった。



メイン会場では、空調の効果で、作品はいつも緩やかに回転していて、
全体の形が常に変化しているのだが、戸を明けて人が出入りする度、
入り口から流れ込む外気が空調の暖かい空気とぶつかって
作品が急に大きく回転するのが、なかなか好評だった。



最終日は時折雪が降り、庭の苔の上に薄っすらと白粉を刷いていた。



            

展覧会を無事に終え、作品を持ち運ぶ私の手の上にも粉雪が降りかかり、
背筋がすっと伸びる想いがした。
 
   
     
     
     
     
     
Posted by Ru Na - 2013.12.22,Sun
                   
 
二人展「森の二しずくⅡ」の会場で上映している映像「サギのコロニー2013」は、

河川工事から保護するため、この春から奔走したサギコロニーの記録映像である。
去年もけっこう撮っていたが、今年はサギコロニー通いをしながら膨大な量を
撮影した。
その一部は、「内川鎮守の森ギャラリーⅢ」でも上映したが、
鳥と自然がテーマのこの展覧会で、今年の春からサギが渡りに旅立つまでの
ダイジェスト版を、是非発表したかった。

工事のメドが着くまで落ち着かない日々を過ごし、
河川課と交渉するための資料作りやその下調べ、先の展覧会の準備、
体調を崩して何度もダウンしたりしていたので、
撮影した映像の確認や検証は後回しになっていて、
秋からやっと本格的な編集にかかった。
明けても暮れてもPC画面で映像を見つめ、ピックアップするシーンの選択、
そこから更に主要なひとコマを選んで数秒にまで切り詰める、という作業を
ひたすら続けても、なにしろ量が半端ではない。
いつ果てるとも知れぬ作業に徹夜続き。
幸い展示予定の作品はすでにあるものの、取り外してある紐を結びなおしたり、
展示スペースに合わせて、作品の調整をする間もないくらい、
只々映像編集の日々。
それでも、途中工事の進行具合の監視にも行かねばならず、
ようやく全体像が見えてきたのは、搬入の1週間前。

各月ごとに1本の動画ファイルにまとめ、簡単な説明文を加え、
話し声が入っている部分は、同じ撮影日の同じような状況の映像から
取り出した音声と差し替え、さらに削れる部分は1秒単位で削り、
DVD用のファイル、mpeg2 に変換。

 

ここまで順調にいっても、mpeg2 に変換したものを見直すと、
動きがおかしくなっているものがある。
どこに問題があるかいろいろ調べて、作り直しをくり返した。

また、音が大きすぎる場面があったりする。
各映像ファイルの音のボリュームがなるべく均等になるよう、
数秒単位のコマ(4~5分の映像に、約60カットを繋いでいる。)の
ボリュームの設定を、1カットづつし直す。

やれやれやっと4月から11月分までが揃ったと、
オーサリングソフトでDVDに焼いてみたら、
エンドレスの設定にしてあるのに、終わりまで再生して2回目が
冒頭ではなく変なところから始まったり、途中が抜けてしまったり、
音声も均等ではなくなっていた。
それが搬入2日前の状態。

オリジナルの映像ファイルは、3台のハイビジョンビデオカメラを
使っているので、解像度が3種類ある。
特に7月18日以降使ったカメラでは、プログレッシブ・モードという
現行のブルーレイディスクにもまだ使えない高画質で撮っている。
それらをみな mprg2 に変換してしまえば、同じファイル形式になる
はずなのだが、
以前も違った種類の映像ファイルを mpeg2 に変換して焼いたDVDで、
同じ現象が起こった事がある。
種類の異なるオリジナル映像を並べると、変換後も問題が起きるなら、
月ごとに独立している映像ファイルを、いっそまとめて1本にしたら
どうだろうかと試しにやってみたら、今度は問題なくエンドレスに、
ループ状の再生をしてくれた。ああ良かった。

それでやっと、映像説明のパネル作りに取りかかる事ができ、
全ての準備が、ぎりぎり搬入に間に合った。



会場のTVモニター画面は大きくて、間近で見ると、
民生用のビデオカメラの映像は、やはり粗く見えるが、
少し離れれば、まあ見れないこともないと眺めていたら・・・
動きがおかしい場面が一部残っていた!
サギの飛び方がスローモーションになったり、コマ落ちしたり・・。
会期中に直す時間の余裕はなさそうだし、
とりあえずサギコロニーの状況が分かる状態なので、
これもご愛嬌と、そのまま上映しているが、
見ている人はあまり気になっていないようなので、ちょっと安心。
映像編集は、今もって分からない事だらけである。



 
  
  
  
  
  
  
  
Posted by Ru Na - 2013.12.18,Wed
今日は、今年を締めくくる二人展「森の二しずく展Ⅱ」の初日。

昨日の搬入直前まで、今回一番力を入れた映像作品に重大なトラブルがあって、
どうなる事かと思ったが、何とか開幕に間に合った。

  

会場は、日本式庭園を座敷が取り囲む古い屋敷をそのまま活かして

「和」の美を発信する国際交流サロンの、蔵のギャラリー。

    

高い天井の中ほどにある太い梁を利用して、作品を吊り下げた。

     

壁面には白川郁栄さんの細密画のようなイラストや版画。

   

ヤイロチョウや四季折々の動植物が、楽しげな世界を作り出している。



       

初日の最初に訪れたのは、大阪から来た男性3人組。
よく金沢に来るようで、金沢のことにやたら詳しく、
地元民も知らない意外な統計(金沢人が一番労働時間が長い、など)や、
いろんなお店の話を、面白可笑しく語るので、つい話しがはずんでしまった。


 
 
 
 
  
  
Posted by Ru Na - 2013.11.11,Mon
 
  
 内川鎮守の森ギャラリーⅢ2013。
今年は超多忙の挙句体調を崩し、作品の搬入出時以外あまり会場にいられず、
残念ながら全会場の作品が見られなかったのですが、
このアートイベントの雰囲気を、少し写真でお伝えします。
  


 左下は竹で染めて織ったというローブ。微妙で不思議な色合いです。 

 
 
 




竹の小径では、竹をイメージした音楽のライヴ演奏。
竹の切り口の上の青いお皿を持ち上げると、節に溜まった水が空を映します。



 







Posted by Ru Na - 2013.11.10,Sun
今年の鎮守の森ギャラリーの作品を少しづつ載せていきます。



作品のタイトルは、「川のもの語り」。



  
 
 

 

 

 

 

 

 



 
 
Posted by Ru Na - 2013.10.31,Thu
明日、11月1日から4日まで、「内川鎮守の森ギャラリー」が始まる。
秋のアートイベントとして、すっかり定着した感のある“内川鎮守”は
今年21回目になる。

  

実行委員が交代するせいか、第三ステージとして正式名称は
「内川鎮守の森ギャラリー」になった。
今回も展覧会に加え、コンサートやパフォーマンスなど多彩な内容。

    

毎年秋のこの時期だから、屋外に作品を設置する私にとって
天候の具合は大問題。
 27日に作品設置の予定を、台風の影響でまだ雨が残るかもしれないと、
翌月曜日に延ばし、その28日は好天に恵まれて作業がし易かった。
週間予報ではその後も晴れ続きで、今年は滅多にない雨に会わない会期に
なるかな、と期待していたのに、秋の天候は気まぐれ。
その後、2回目の設置日の今日までに雨が降り、また会期後半も雨が降るらしい。

とにかく第1回目の設置で空間の形がほぼ出来上がった。



タイトルは「川のもの語り」。
竹林のなだらかな斜面に、蛇行する川のような流れを作りたいと思っていた。

 

最初、ロープの張力でたわませた布を、間隔をあまり置かず連ねる計画をしていたが、
生えている竹の位置は、自分の都合で変えられない。
その場に合わせて設置方法を工夫していくのが、「野外ワーク」の醍醐味でもある。
 長三角形の布と布の間を開けたことで、かえって流れに躍動感が生まれた。




 
 
 
 

 
 
Posted by Ru Na - 2013.08.12,Mon
県立美術館で開催中の「エミール・クラウスとベルギー印象派展」を見に行った。

           

ようやく左腕の腫れも退き、点滴から開放されたが、

飲み薬のせいかまだ身体がだるい。
屋外は連日の猛暑。無理せぬよう炎天下をゆっくり美術館まで行くと
会場には陽光があふれた絵画が並んでいた。

   

今照りつける強い日差しの下を通って来たところなので、

絵の中の光の表現を見ても、最初はぼーっとするばかり。
そのうち、なじみ易い印象派の素直な風景描写に惹き込まれていった。

ベルギー美術と言えば、それまで家具の装飾用だった油絵を絵画技法として

完成させた初期ルネサンスのヴァン・エイク兄弟。
北方ルネサンスのヴァン・デル・ワイデンや内省的なハンス・メムリンク。
いつでも大人気のブリューゲルと続き、
巨匠ルーベンスやヴァン・ダイクの後は、いきなり印象派後の
アンソールやクノップフといった幻想派まで時代が飛び、
その流れで、ルネ・マグリットやポール・デルボー。
現代アートではパナマレンコといった作家を、誰しも思い浮かべるのでは。
フランスで起こった印象派の影響を受けた、ヨーロッパの他の国の印象派の

絵画をまとめて見る機会はいたって少ない。
 
ベルギーやヨーロッパ各地の美術館で、多分その絵を目にしてはいたのだろうが、

エミール・クラウスという画家を私は知らなかった。
ゲント郊外のレイエ河畔の風景を明るいタッチで描いた絵を見ていると、
自然、フランドル出身の歌手、ジャック・ブレルの歌が頭に流れるようだった。


北仏ピカルディー地方からブリュージュやガン(ゲント)一帯の川や運河。

現在もその姿を変えてはいないだろう。
コンクリートの護岸とは無縁な平らな土地の草に縁取られた流れ。
爽やかなフランドルの夏は透明な光があふれる。
逆光のタチアオイと月を映す川面の絵が気に入って、離れがたかった。

仏印象派のモネやピサロ、ベルギー印象派と関わりがある日本の画家の

展示も興味深く、特に大原美術館のコレクション集めに尽力した
児島虎次郎はもっと評価されてもいいのでは、と思った。

 日本各地の展覧会ポスターを集めたコーナー。

 

美術館の帰り、強烈な日本の夏の日差しも幾分和らいでいた。

  
 
 
 
   
   
   
   
   
Posted by Ru Na - 2013.06.09,Sun
産業展示館で3日間行われた金沢ペーパーショー。
今年は私は参加していないが、友人がポスターを出品しているので
見に出かけた。

     

広い展示場に紙を使ったパッケージデザイン、ポスター、折り紙工芸、書道など
いろんなジャンルのブースが並び、楽しい紙の祭典。

 

洒落た和傘のデザイン。



特に見ごたえがあるのは、日本グラフィックデザイナー協会が主催する
「やさしいハンカチ展 part 2」。
東北3県の子供たちの絵を元にデザインされたハンカチがずらりと並んだ。



これらは販売もされ、収益金は被災地の小学校に送られる。
「GREEN」がテーマのポスター展での友人の作品。



森を赤やピンクで表現したのが面白いと思った。

会場を出て、気になるサギのコロニーの様子見に川べりへ。
すっかり茂った緑の草木がいい香りを放つ。

  

5月の始め頃から鳴きだしたオオヨシキリの、生命に満ちた囀りが
今日も元気に叢を覆っている。

 

もうじきこの辺りも河川工事の重機が入れられる。
やすらぐ緑や命の輝きに何ら感動もない行政や人たちの手で。

            

 今年も多くのサギたちが子育てのために集まっているサギコロニー。






Posted by Ru Na - 2013.05.16,Thu
能登海浜道が無料化された記念の展覧会、“スペース滝”での小品展に出品している。
15日、他の出品者二人と共に、羽咋市滝港にある“スペース滝”を訪れた。

ここのところ続いている夏日が、さらに暑くなって気温は28℃。
海はきらきら光って、細かい白波が立っている。

  

途中で浜辺に寄り道して、シギ・チドリを見てから会場へ。

  

背後がすぐ滝港のこのアートスペースは、元魚網作業所を改装したもの。
広々とした空間の所々をパネルで仕切って、様々なジャンルの作品が
所狭しと並んでいる。

  

現代アート作家でもあるオーナーの中田さんによれば、
5月1日オープンしてからの後も、続々作品が持ち込まれ、
その点数は増え続ける一方とのこと。
今日私と一緒に来たカメラマンも、途中参加の一人。

能面と監視員人形のコラボが面白い。

 

奥の青や白の三角形が私の作品。



ステンドグラスの作品とも、何となくマッチしている。







私の小額の組作品も、こんなふうに桐箱の蓋をうまく使って展示して下さった。



この近くの高台にあるスタッフのN氏の別荘にお呼ばれした。
近辺では山田洋次監督の新作映画「小さな家」のロケを行っているとのこと。
木造の素敵なロッジの周囲には、バーベキュー用の石組みや木の上の秘密基地、
ブランコや竹の迷路まであって、夢のように楽しい山荘だった。
リビングの広い窓やテラスからは、刻々色と姿を変えていく海が一望できる。

  

滝港の風景。

  

あっという間に楽しい時間が過ぎ、日が長くなってまだ明るい海を眺めながら
帰路についた。




Posted by Ru Na - 2013.04.23,Tue

        

高校の同窓会による三桜美術展が、今日から金沢21世紀美術館で始まった。



昨日は午後から同窓生が美術館に集まり、会場設営と作品設置を行った。

 

 

設営に慣れた画材屋さんの協力で、高い天井にフックを取り付けたり、
水平を図ったり、スムーズに事が運ぶので大助かり。

       

私の作品も何とか壁から少し離して設置できて、やれやれと思っていたら、
作品の横に割と大きなスペースが空いてしまった。
他の人の作品の位置もほぼ決まったので、この展覧会の発起人である先輩が、
作品を追加してもいいよ、と言って下さったので、
急きょ家に他の作品を取りに戻った。
それで、短時間でこのような形に設置してみた。

   

いつもは展覧会前に、使えるスペースの形や大きさが分かっていて、
その空間に合わせた作品の形、サイズ、点数を用意するのだが、
今回はやってみるまでどんな形に設置できるのか見当がつかなかった。
各作品の位置調整に不満が残るが、3つ並んだ展示室の奥の方からも
見通せるアングルは気に入った。



作品のタイトルは、「森の再生」。
あの東日本大震災の年に制作した、竹林でのインスタレーション作品、
「流された森の再生を願う」の一部である。
私にとっての理想郷、仙台平野の屋敷林「いぐね」の安否が分からぬまま、
同じ年の熊野の水害にも衝撃を受けながら、
自然の猛威が森を破壊するなら、同じ自然の力で再生してほしいと
願いつつ、筆を運んでいたのだった。

帰りがけ、カワラヒワが囀っている美術館横の八重桜に、
シジュウカラのつがいが飛んで来たと思ったら、
同じ白黒の小鳥でも、ネクタイ紋がないエナガだった。



 
 


Posted by Ru Na - 2013.03.24,Sun
能登海浜有料自動車道はもうじき無料化する。
羽咋市滝港にある“アートスペース滝”では、5月の一ヶ月間
その記念の小品展が開催される。

先だってから出品予定をしていたけれど、
車で運んでもらえる機会ができたので、まだ一月先だけれど
運べるときにとりあえず作品を持っていこうと、滝港を目指した。




この料金所ももうじき無くなる。
白波を立てる早春の海。浜辺には双眼鏡を覗く人影が。



シギチ(シギ・チドリ)を探しているのかしら。私もシギチが見たい・・・
と、横目で見ながら千里浜を過ぎ滝港に着いた。

元魚網小屋だった“スペース滝”のゆったり広い空間には、
既に搬入された作品が置かれていたり、ぽつぽつと展覧会の準備が
始まっている。



奥のコーナーには、ここのオーナーのコレクションである私の旧作が
2点常設展示されている。この作品に合わせて出品作品を選んだのだった。
常設作品の周囲に、持ってきた作品の一部を設置して
青い三角形つながりの空間を作ってみた。


         

反対側の壁の上部コーナーにも作品を設置。



まだ他の人の作品が揃っていないので、運んだ作品の残り半分の
設置場所を決めるのは、もっと後になる。

広い展示スペースの一方に、片隅に下ランドピアノが置かれた
20畳ほどの板間があり、休憩室になっている。



“スペース滝”の常連客が、ここで気さくなオーナーと茶飲み話などしている。
窓からは滝港の風景が一望できて、ついのんびり腰を落ち着けてしまう。

 

向うの防波堤の上に、カモメらしき群が休んでいる。
カメラでズームアップしてみると、




ウミネコたち。この子たちは渡らないでそのまま夏を過ごす。



幼鳥が1羽混じっていた。







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