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見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたこと。
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Posted by Ru Na - 2010.10.01,Fri
暗くなってから庭に出ると、金木犀がふっと香った。
昼間は気が付かなかったものの、懐中電灯で照らしてみると、
いつの間にか葉の根元に細かな花が付いている。
十月の初日、今年も恒例どおりに香りを放った。

金沢の旧市街の秋は、それぞれの地区の神社の秋祭りが、
3日づつ順に巡って来る。
一番早いのは、確か美大の坂下の椿原神社。
市内を一巡して、野町のお神明さんで終わる。
私の地区は、市役所の近くの石浦神社で、10月1日から3日に
境内に屋台が並ぶ。

子供の頃は少しのおこづかいをもらって、屋台で駄菓子屋にあるような
いろんなおもちゃを買うのが楽しみだった。
いつの頃からか、屋台の数はめっきり少なくなって、
今はどのくらいの店が出ているものか知らない。
神社に参らなくても、各家庭はお祭り用の料理を準備する。
シメサバの押し寿司やおたふく豆、それから、
「べろべろ」と呼ばれる、卵のちらしが入った甘い寒天料理など。

この楽しい行事の初日10月1日に、不思議と決まって金木犀が
香り出すのである。
どんな夏の天候の年でも、日がずれたのは記憶にある限り去年だけである。
今年もこの異常気象で、今日なんかも暑く、週末はさらに高温になるというから、
まったく期待していなかったのに、律儀に咲いてくれた。

この夏の異状は植物に顕著で、気温が下がってきたら、
普通の夏を今から取り戻そうとするが如く、
フウセンカズラは花をもう一度付け、現在緑の実を沢山付けている。
いつもは鈴なりのプチトマトも、今夏は少ししか実らなかったのが、
また盛んに花を咲かせている。
みの虫に食べられてぼろぼろになって半枯れの葉の下から、
ぶどうは、また新しい爽やかな葉と蔓を伸ばしている。

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そんな中で、金木犀の木が正確に暦を刻んでいるのが、なんともいじらしい。
そして、今宵は恒例の太鼓行列に参加する子供たちが、
各町会の太鼓を載せた小さな山車を引っ張って太鼓を叩きながら歩く、
にぎやかな歓声が通り過ぎるのが幾度も聞かれた。

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Posted by Ru Na - 2010.09.30,Thu
明日から煙草が大幅値上げになる。
愛煙家の私にも(といっても、分煙賛成、歩き煙草反対)痛い話だが、
さりとて大量の買いだめもできず、
これからは値上げ分だけ節煙してゆくしかない。
これを機会に禁煙を試みる人も急増という。
これで当分は、たばこ屋さんには閑古鳥が鳴くだろう。

心配なのは、煙草税は地方の安定した財源と言われていること。
世界的な不況で、企業からの税収の増加は見込めず、
円高はほぼ慢性化する、という見方もある。
経済に暗い私には、小泉政権の打ち出した「小さな政府」が、
政権交代でどう変わったのか知らないが、
地方自治体の税収が長期間減れば、その分いろんな支出が抑えられるが、
たいてい福祉関係や、文化教育関係から削られていって、
いずれ住民税や健康保険料が値上がりするのでは、と危惧してしまう。

そんな短絡的なものではないのかもしれないけれど、
誰か、絶対そうはならない、と言ってくれないかしら。

ニュースをもう一つ。
近頃金沢市の山に近い地区で、熊が頻繁に目撃され、
2頭が捕獲された。
猛暑でミズナラが枯れて、食べ物に困っているよう。
04年と違うのは、今のところ捕獲された熊たちは殺されていないこと。
熊に出会えば、私だって怖いし襲われたくもない。
1頭も犠牲にならぬよう、山中で熊が食べ物を確保できるようになるには
一体どうしたらいいのか。

まだこれから暑い日も来るというけれど、
空は秋へと移りかわっている。

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Posted by Ru Na - 2010.09.27,Mon
5日くらい前からやっと秋らしく涼しくなって、指の腫れも少しひいてきた。
もう一月以上お箸さえ持てず、スプーンとフォークでの食事。
ただでさえ年中指の腫れや亀裂に悩んでいるのに、
今年の猛暑で、アレルギー性皮膚炎がひどく悪化して、
特に右手指が1.5倍に膨れ上がって、無数の穴が開いた状態のままいつまでも治らず、
とはいえ、何をするにも指を使わないわけにはいかず、
テープ(絆創膏)をあちこちに貼り付け、四苦八苦しながら日常の事をこなしてきた。

自己流で引き続けているピアノも、ついにどんなテープの貼り方をしても
痛くて鍵盤が抑えられない指の方が増えてきて、
一体どうやったら弾けるのか分からなくなっていた。
しかし、基礎も、指の柔軟さも長さも足りない私が、いったん練習を中断したら、
もう、完全に弾けなくなってしまう。

たとえ1日30分程度でもと、左手中心に鍵盤に向かっていたが、
右手が使えないと、本当につまらない。
いつもは、ベートーヴェンの32曲のピアノソナタを、毎日ちょっとづつ
弾いて (というより、あまりにも下手なので、楽譜から音をひろって鍵盤を押しているだけ、
と言った方が正しいが。) いるのに、
到底ベートーヴェンが弾けそうもない有様で、
仕方がないから、左手+アルファで弾ける曲を探し、ショパンの“雨だれ”や
シューベルトの“セレナーデ”、そして中間部だけは右の2~3本指で旋律がとりあえず弾ける、
ショパンの“幻想即興曲”など、ああ、今日もまた“雨だれ”か、ベートーヴェンが弾けないと
ストレスが溜まる、治ったら思い切り“ワルトシュタイン”を弾いてやる、(というより、押してやる。)
と思いつつテープの糊がくっついてベタベタになった鍵盤を触ってきた。

そして、腫れが少しひいた4日前、久しぶりにベートーヴェンの№31を弾いた。
とはいえ、もともと下手で充分弾けない上、全ての音符が押さえられるには到らないのだが、
2日続けて、とりあえず最後まで弾いた(というより、押した。)。
次の日、また指の悪化。そして、今日はまた少しだけましに№31の半分を弾いた。

天気予報によると、10月に入ったらまたしばらく真夏の暑さに戻るというが、
さて、どうなることやら。
鍵盤が使えないと、映像作品用の曲作りがしづらく、本当に困ってしまう。

この、ベートーヴェンの特別な曲、最晩年の3大ソナタについては、
後日改めて書きたい。

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Posted by Ru Na - 2010.09.20,Mon
久しぶりに家の近くにヒヨドリが来た。
後ろの家のアンテナにとまって、
「ピーヒュルリ、ピーヒュルリ」と、おなじみの声でひとしきり鳴いてから
また行ってしまった。
暑い間は、たまに川原で見かけたが、
めったにこの近くまでは来てくれなかった。
そろそろ、槇の実がなるからと、様子見に来たのかもしれないが、
今年はこの暑さで、我が家のもお隣の槇の木も、
一向に実がなる気配がない。
ヒヨたち、他に食べるものがちゃんとあるかしら。

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Posted by Ru Na - 2010.09.18,Sat
先日からの雨で、ようやく金沢も暑さがおさまったよう。
日中は陽が射すと、まだまだ汗ばむくらいだけれど、
雨の後は光が透き通って、半月遅れの秋の入り口を感じるようになった。

池のほとりのシュウカイドウの花の淡紅いろに、白い光が斑を作り、
シュウメイギクの茎も伸びて、つぼみがそれと分かるくらい膨らんできた。

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Posted by Ru Na - 2010.09.09,Thu
今日、幼なじみの親友が東京に旅立った。
金沢の自宅をたたんでの完全な引越しである。

子供の頃は家が近所で、よくお互いの家を行き来して遊んでいた。
彼女の家が、道路の区画整理に引っかかり、他の地区に引っ越して行ってから、
大人になって再会するまで、消息をほとんど知らなかった。

再会したのは私がフランスから帰国したばかりの頃。
友人は大手出版社のメジャーな雑誌の記者になって、東京、NY,イスラエルと
世界を駆け巡ってから、御両親の居る金沢に戻ってきていた。
その後、国際結婚した伴侶のDVによる離婚、働きながら、娘さんを育てながら、
病気になった御両親の看病をしながら博士号を取得したが、博士浪人の時代、
金沢では思うような職につけず、仕事を転々とした。

金沢のいろんな慣習や偏見に囲まれて、いろんな点でずいぶん苦労をしていた。
気性の真っ直ぐな友人は、人に悪意をいだいたり、意地悪な気持ちを持ったり
しないのだが、理不尽と思われることに、率直に怒りを表すので、
出る杭は打たれる式に、周囲から打たれ続けたが、
いつもポジティヴな姿勢を保ち続けているのに、いつも私は感心させられていた。

お母様に続いて一昨年お父様を見送って、金沢での生活に区切りをつけたのか、
友人自身が設計しお金も出して建て直した、あの広くて素敵な実家を手放してまで、
彼女と娘さんがもっとも伸び伸びと活動できるという東京に、拠点を移すことを
決意したようだ。

どうか多くのチャンスがありますように。
今までの苦労を埋め合わせてあまりある幸が来ますように、と
さみしいけれど私は強く願ってやまない。

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        みちをみれば こころおどる    八木重吉
Posted by Ru Na - 2010.09.06,Mon
昨日、金沢21世紀美術館が、作品が一切ない状態で無料開放された。
建物の設計者がブリツカー賞を受賞した記念に、建築そのものを
鑑賞してほしいという趣向らしい。
OEK-オーケストラ・アンサンブル金沢が、何もない空間で演奏するというので、
夕方やっと手が空いたとき、せめて5分でも、と駆け足で行って来た。

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着いたのは閉館10分前。
もう演奏は終わっているかもしれない、と思いつつ入ってみると、
まだ沢山の人が行き来し、最初に入った小さな部屋では
OEKのヴァイオリニスト江原さん達のバッハインヴェンションとモーツァルトを
聴くことができた!

まだ多くの人が帰ろうともせずうろうろし、他の部屋からも音楽が聞こえる。
いくつかの部屋では、演奏が終わった後の楽器や椅子だけがガランとした空間に
残っていたりして、初めてこの美術館の空間を美しいと感じた。

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中庭では、指揮者井上道義氏がキーボードを使っての作曲に余念がなく、
スタッフに、「マエストロ、もうお時間です。」と声をかけられ、
やっと立ち上がったので、閉館となった。
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この美術館ができてから6年になるが、いつ行っても落ち着かず、
ゆっくり展覧会を鑑賞したという気分には、なかなかなれない。
特に、夏は最悪で、日比野克彦のプロジェクトで、外壁のガラスが
すべて朝顔で覆われた時だけ、息がつけた。
また、みぞれの降る日などはこの建物も悪くないと思えるが、
同じ現代建築でも、大阪の天保山サントリーミュージアムのように、
ゆったりくつろげるスペースが、どこにもない。
そのせいか、美術関係者以外の私の周囲の人からは、
もう二度と行きたくない、なぜもっと木を植えないのかしら、という声をよく聞く。
建築が新しすぎてついていけない、というより、陰影のない空間に対する拒絶反応のよう。
建築を外部から造型作品のように捉える見方と、その建築が生活圏にある住民の感覚との
ギャップを感じてしまう。

どんな生き物も、ちょっとした隠れ場所になるような空間を必要とする。
古い家には大抵そのような隅っこがあって、それが子供の頃は
なにか得体の知れない怖い所だったり、安心できる場所になったりする。
現代建築でも、何かそのような感覚を含んでいるものは、
長く居ても心地よい。

私が通った幼稚園は、近年、ヴォーリズの手になるものと判明し、
6月にヴォーリズの研究者による講演会があった。
100年前の建設当時、日本ではたいへん新しい建築であった訳だが、
ヴォーリズはシンプルだけれど合理的で、あくまで居心地の良い空間に
こだわった人なので、どんな子供でも必ずこの建物の中に、
自分の居場所を見つけられるようにできている、と聞くと、
子供の頃、この幼稚園が大好きだったことを思い出し、
いろいろと納得したのだった。

美術館を出て振り返ると、建物の屋根に小鳥が二羽。
後で図鑑で調べると、どうもコジュリンのよう。
早速、野鳥の会の友人に問い合わせたところ、
ハクセキレイでは、という返事だった。
二羽ともとても丸い体型をしていたので、あのスリムなセキレイとは
思わなかったけれど、言われてみれば、ちょこちょことした歩き方には
見覚えがあった。
虫の食べすぎで、メタボになってしまったのかしら。

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Posted by Ru Na - 2010.09.05,Sun
今宵、月下美人の花が三つ咲いた。
七月に一度、つぼみが五つほど付いたのが、暑さのせいか大きくならず、
一つまた一つと落ちていって、少しふくらんで最後に残ったものも、
ついには落ちてしまい、今年は駄目かもしれないと、がっかりしていたら、
三鉢のうち二鉢が、一度に花開いた。

いつもの年より小さいけれど、暗くなった頃から開いていって、
10時頃には咲ききって、良い香りを周囲に漂わせている。

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もう10年近く前、母が東京は自由が丘の親戚宅から、
切り取った数枚の葉の状態で持ち帰り、次の年には花を付け、
東京生まれが金沢の気候になじんだのか、
それ以来毎年欠かさず、その優美な姿と香りで楽しませてくれる。

それから鉢数が増えに増え、一晩に20以上もの花が開いた年もあった。
冬の管理が大変なので、隣近所に配って三鉢だけ残している。

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resize1292.jpg             2005年8月の月下美人












Posted by Ru Na - 2010.08.31,Tue
あまりにも暑いので、せめて涼しげな写真を少し。

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Posted by Ru Na - 2010.08.27,Fri


     いつのまにかフウセンカズラの実がふくらんでいた。
     暑さのせいか小さくて形が少しいびつ。

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     散水すると小さな虹が現れる。

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     木々の水浴び。




昨夜はほんの少し気温が下がったのに、それを取り戻そうとするように、
今日はまた強烈な暑さ。

明日はもっと暑くなりそうなのに、早朝、町会のアメシロ消毒剤散布がある。
今年の猛暑で一つだけいいことがあるとすれば、アメシロやチャドクガの発生が
例年になくほとんど見かけない事。
それなのに一度決めた予定は変えられないのか、それともどこかで大量発生
しているのか。

我が家ではいつも薬剤散布を申し込まないが、隣の庭の薬剤が垣根を越えて
池にまで届くので、アメシロ消毒と聞くと、池の半分をシートで覆ったり、
その後始末にいつもとても大変な思いをする。
あまり早くシートをすると、この暑さで金魚たちが参ってしまう。
暗くなってから、脚立などで風が通る隙間を作りながら、シートを被せた。
明日は後始末で半日が消えていく。

Posted by Ru Na - 2010.08.26,Thu
り、所によってはにわか雨。の予報が、
例によって又しても裏切られるか、と思っていたら、
今日の午後、陽が射しながら、雨がパラパラと。
すぐに止んで地面がぬれる程ではなかった。どうせ何時もの事。
と、また降りだして、それが何回か繰り返されたので、
さっと水をホースで撒いたくらいになった。
そのお陰で幾分涼しくなって、家の二階の廊下の温度が、夜中を過ぎても
なかなか30℃以下にはならないのが、ここのところずっと続いていたのが、
夕方30℃を切っている。

週間天気予報を見ると、見渡すかぎり最高気温が33℃に熱帯夜が、
9月に入っても続いている。9月いっぱい30℃を超す日が多いなどと
聞いていると、暑さでひどく悪化している指先のアレルギー性皮膚炎がますます痛む。

先日ラジオで、今年の金沢のセミには異変があるよう。
普段はお盆過ぎに鳴きだすミンミンの初鳴きが、今年は8月2日だった、と
言っていたけれど、我が家の周囲ではいつもどおりに鳴いている。
むせるような熱帯夜にも、虫の音が聞かれるようになった。
せめて今夜のように、夜風に幾分涼しいものが混じるようになれば、
秋の気配が少しは感じられるものを。





Posted by Ru Na - 2010.08.22,Sun
先のブログ記事を書いていたら、
つれあいから更に写真が届いてた。
ネットの状態が悪くて、一度に送れなかったという。

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  グールドが住んでいた
  アパルトマンのある建物













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 その入り口







                  

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    中心街にはこんなストリートが。










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グールドが晩年に使用していたヤマハの
ピアノが置いてあるロイ・トンプソンホール
そのピアノで、ゴールドベルク変奏曲を録音した。








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 「グールドのお化粧」
 カナダ放送局前のグールド像が
 店のウィンドウガラスに映って....

 と思ったら、放送局建物の内部
 にある、グールド像制作の時の
 写真だそうです。







つれあいが、「“何か”と一緒にグールドのお墓の写真を撮ってきたよ。」と言っていたけれど、
その“何か”とは、日本から持っていった小さな鴨の人形だった!
「我々の分身鴨」などと呼んでいたものなので、これで私もお墓参りしたも同然。
ちなみに左下の小さなリス人形と、どんぐりは、誰か別の人が置いて行ったものらしい。

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Posted by Ru Na - 2010.08.21,Sat
思わず“閑話”と書いたが、閑なんてとんでもない。
いつ果てるとも知れぬ猛暑の中で、池の水温が上がらないよう、
庭での水撒きを、一体日に何度していることか。
暑ければ暑いほど回数も増やさねばならず、熱帯夜続きなので、日が落ちても何度も庭に出る。

波板で池のあらかたに波板を被せ、その上に隙間なくすだれを敷いている。
カンカン照りの陽が当たるすだれや、まわりの焼けた石や土を水で冷やす。
それで何とか水温は26度以下に抑えられて、(それでも金魚にとっては高すぎるのだけれど)
池の金魚たちは何とか元気。

シャワー口の付いたホースで散水すると、小さな虹ができ、
トカゲたちはあわてて逃げ、蝶や蜂が寄ってくる。

今日初めてみんみんゼミの声に気が付いた。
子供の頃から、みんみんが鳴きだすとそろそろ夏の終わり、
夏休みの手付かずの宿題を片つけるのに、あせりだしたものだった。

それにしても、今年の夏はまだ当分終わりそうもない。
6月半ばからずっと、最低気温、最高気温ともに平年より3℃位高い日が続いている。
若干涼しくなったのは、台風の後の1日だけだった。

40℃を経験したことがある。
昔、モロッコのマラケシュに行った時のこと。
9月も半ば頃だったが、駅に降り立ったとたん、ものすごい熱空気に包まれた。
土も赤いが、空気もまるで燃えるようで、喉がひりひりしたのを覚えている。

それでも、ほとんど湿度がない土地なので、日陰に入るとひんやりとし、
広場で陽にさらされながら大道芸を見ていても、汗をかいたという記憶はない。
現地に駐在している海外青年協力隊の人に偶然出会ったが、
「今日は涼しいなあ。なんせ40℃しかないんだから。」などと言っていた。

かって、ヨーロッパは地中海のほとり、南欧といえるマルセイユに留学し、
夏休みは欧州の方々に出かけたけれど、
汗が流れて、それだけで疲れてしまうような暑さには、めったに会わなかったような。

ただでさえ湿度が高くて過ごしにくい日本の夏は、(特に金沢はいつでも高湿度)
温暖化で増々やりきれないほど暑くなっていくのかしら。

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この暑さの中で、プチトマトは実を付け続けているけれど、
さすがに近頃、葉がしおれ気味。
Posted by Ru Na - 2010.08.20,Fri
Mon mari a visite a Toronto de Glenn Gould

今仕事でカナダに行っているつれあいが、トロントに立ち寄って、
グレン・グールド所縁の場所を訪ねた。

天才ピアニスト、グレン・グールドについて、語りだすときりがない。
コンサートの舞台に初めてネクタイなしで現れたピアニスト。
人気の絶頂期に、32歳で「コンサートは死んだ。」と宣言し、コンサート活動を一切やめ、
スタジオ録音によるレコードや、自分でプロデュースしたTVやラジオ番組などで、
その活動をメディアにより発信した初めてのピアニスト。
スタジオにこもって、自分が納得できる演奏ができるまで、テイクをくり返し、
珠玉のレコードを沢山残した。

その曲の解釈が、いつも物議をかもした。
極端にテンポの遅い、モーツァルトやベートーヴェン。
楽譜の強弱記号やくり返し指示の無視。
とても低い椅子に座り、うなりながら弾く演奏の姿勢。
暑い日でも、厚いコートにマフラー、手袋に身を固めていた姿。
エキセントリックな奇人、と見られていた。
82年に50歳で急逝した。

以上が、グールドについてよく語られていること。

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     カナダ放送局前の、G.グールドのモニュメント


グールドの生前、私も名前は知っていた。
美大の同級生が、歌いながら演奏する変わったピアニストがいる、と
レコードを聴かせてくれたこともあるが、あまり記憶に残っていない。

後に、別の友人がグールドのベートーヴェンをダビングしたテープを2本くれたが、
正統派のベートーヴェン弾き、例えばバックハウスなどと聞き比べて、
その突飛さを、時々おもしろがっている程度だった。

10年ほど前、つれあいと車で富山県の桜ヶ池に出かけた時、このテープを持参し、
道中くり返し聴いていたら、そのノリの良さはまるで長唄みたい、と耳が離せなくなり、
さらに聴き続けるうち、ピアニストの非常な集中力と真摯さが伝わってきて、
これは、ただ変わった演奏をしようなんて思ったウケ狙いなどではなく、
曲の分析と解釈を、自分の感性を信じてとことん追求した、とんでもない演奏だということが、
しだいに私にも分かってきた。

それからというもの、グールドのCDはほぼ全部揃え、グールドに関する書籍も集め、
現在手に入らないものは、図書館で探し回り、すっかりグールディアンになってしまった。
知れば知るほど、その魅力に惹かれ、さらにもっと知りたくなる。
グールド書簡集や著作集を読めば、ユーモアと思いやりに満ちた暖かさの中に、
並々ならぬ知性と明晰な頭脳を感じ、
どんな時でも、彼の演奏を聴くと、渓流にほとばしる清冽な水しぶきを浴びたように、
清浄な心地がする。
グールドのピアノを聴いていると、ちょうど無邪気で無心な子犬が走り回っているような、
何か比類ない無垢なものが、その音色に含まれているのが感じられる。

没後30年近くたっても、彼に関する研究書の出版は、後を断たず、
時たま未発表の音源も出てきたり、CDは売れ続けている。
彼は奇人なんかではなく、野生の動物や鳥のように、
只々純粋に生き物としての生を、虚飾なく生きていたのだと、そして、
人間の中にもいくらか残っている真の生(き)の部分に触れるので、
これほど多くの人の心を摑んで離さないと、私には思われてならない。

55年に、それまであまりメジャーな曲ではなかったバッハのゴールドベルク変奏曲で、
世界にセンセーションを巻き起こしたグールドは、
亡くなる前に、滅多にやらなかった同じ曲の再録音を、このゴールドベルクで行った。
20世紀指折りの名盤となり、グールドの墓石にも、この曲の冒頭が刻まれている。


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諸事情で家を数日空けることが難しいので、近頃なかなか海外には出かけられないけれど、
いつの日にか、私もグレン・グールドが生きた街、トロントを訪ね、その空気に触れてみたい。
Posted by Ru Na - 2010.08.08,Sun
いしかわ動物園のカバのデカが5日亡くなりました。
老衰による大往生と、ニュースで聞きました。
全国的に報道され、献花台も設けられたとのこと。

いしかわ動物園の動物たちは、多くが金沢サニーランドから移って来たもの。
そこは以前、金沢ヘルスセンターと呼ばれ、動物園と水族館がある複合娯楽施設で、
子供の頃、遠足などでよく訪れましたが、動物園のコーナーは、動物たちが
せまくて汚い所に押し込められているようで、子供心に可哀そうと思っていました。

もう何年も前、サニーランドが財政破綻で閉鎖を決定し、まだ、いしかわ動物園設立の話も
聞かなかった頃、魚たちはどうやら能登島水族館に行くらしい、では動物たちは?
と行く末を心配しながら、そのサニーランドを久しぶりに訪れた時のこと。
水族館の魚たちは楽しそうだけれど、陸の生き物たちには、住環境があまり良くないという、
子供の頃の印象そのままで、施設は古びていました。

デカの処に行くと、親子連れに囲まれ、「あっ、カバや。」「こっち向いて。」「口あけて。」
などと声をかけられていましたが、
「あたしゃ、こんな青二才どもの相手しているほどヒマじゃないよ。早くあっちへお行き。」と、
言わんばかりに不機嫌そうに小さなプールの濁った水を、うまく人のいる方向にだけ
撥ね上げたので、私も、他の人たちもすっかり頭から泥水を被ってしまいました。
その後、デカさんは水に浸かってずっとそっぽを向いたまま。

そんな姿を覚えていたので、
いしかわ動物園で、広いプールのある広い部屋で、幸せそうにしている彼女に再会した時は、
心底良かったと思ったのでした。
誕生日には、園児たちに歌を歌ってもらって、おからのケーキをもらう様子がいつも、
TVのニュースに映っていましたが、なんとも楽しそうな表情をしていました。
この、キャラメルのキャンペーンガールとして全国を行脚したカバのデカさんは、
幸せな余生を送ったと言えるのではないでしょうか。


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