二人展「森の二しずくⅡ」の会場で上映している映像「サギのコロニー2013」は、
河川工事から保護するため、この春から奔走したサギコロニーの記録映像である。
去年もけっこう撮っていたが、今年はサギコロニー通いをしながら膨大な量を
撮影した。
その一部は、「内川鎮守の森ギャラリーⅢ」でも上映したが、
鳥と自然がテーマのこの展覧会で、今年の春からサギが渡りに旅立つまでの
ダイジェスト版を、是非発表したかった。
工事のメドが着くまで落ち着かない日々を過ごし、
河川課と交渉するための資料作りやその下調べ、先の展覧会の準備、
体調を崩して何度もダウンしたりしていたので、
撮影した映像の確認や検証は後回しになっていて、
秋からやっと本格的な編集にかかった。
明けても暮れてもPC画面で映像を見つめ、ピックアップするシーンの選択、
そこから更に主要なひとコマを選んで数秒にまで切り詰める、という作業を
ひたすら続けても、なにしろ量が半端ではない。
いつ果てるとも知れぬ作業に徹夜続き。
幸い展示予定の作品はすでにあるものの、取り外してある紐を結びなおしたり、
展示スペースに合わせて、作品の調整をする間もないくらい、
只々映像編集の日々。
それでも、途中工事の進行具合の監視にも行かねばならず、
ようやく全体像が見えてきたのは、搬入の1週間前。
各月ごとに1本の動画ファイルにまとめ、簡単な説明文を加え、
話し声が入っている部分は、同じ撮影日の同じような状況の映像から
取り出した音声と差し替え、さらに削れる部分は1秒単位で削り、
DVD用のファイル、mpeg2 に変換。
ここまで順調にいっても、mpeg2 に変換したものを見直すと、
動きがおかしくなっているものがある。
どこに問題があるかいろいろ調べて、作り直しをくり返した。
また、音が大きすぎる場面があったりする。
各映像ファイルの音のボリュームがなるべく均等になるよう、
数秒単位のコマ(4~5分の映像に、約60カットを繋いでいる。)の
ボリュームの設定を、1カットづつし直す。
やれやれやっと4月から11月分までが揃ったと、
オーサリングソフトでDVDに焼いてみたら、
エンドレスの設定にしてあるのに、終わりまで再生して2回目が
冒頭ではなく変なところから始まったり、途中が抜けてしまったり、
音声も均等ではなくなっていた。
それが搬入2日前の状態。
オリジナルの映像ファイルは、3台のハイビジョンビデオカメラを
使っているので、解像度が3種類ある。
特に7月18日以降使ったカメラでは、プログレッシブ・モードという
現行のブルーレイディスクにもまだ使えない高画質で撮っている。
それらをみな mprg2 に変換してしまえば、同じファイル形式になる
はずなのだが、
以前も違った種類の映像ファイルを mpeg2 に変換して焼いたDVDで、
同じ現象が起こった事がある。
種類の異なるオリジナル映像を並べると、変換後も問題が起きるなら、
月ごとに独立している映像ファイルを、いっそまとめて1本にしたら
どうだろうかと試しにやってみたら、今度は問題なくエンドレスに、
ループ状の再生をしてくれた。ああ良かった。
それでやっと、映像説明のパネル作りに取りかかる事ができ、
全ての準備が、ぎりぎり搬入に間に合った。
会場のTVモニター画面は大きくて、間近で見ると、
民生用のビデオカメラの映像は、やはり粗く見えるが、
少し離れれば、まあ見れないこともないと眺めていたら・・・
動きがおかしい場面が一部残っていた!
サギの飛び方がスローモーションになったり、コマ落ちしたり・・。
会期中に直す時間の余裕はなさそうだし、
とりあえずサギコロニーの状況が分かる状態なので、
これもご愛嬌と、そのまま上映しているが、
見ている人はあまり気になっていないようなので、ちょっと安心。
映像編集は、今もって分からない事だらけである。
昨日の搬入直前まで、今回一番力を入れた映像作品に重大なトラブルがあって、
どうなる事かと思ったが、何とか開幕に間に合った。
会場は、日本式庭園を座敷が取り囲む古い屋敷をそのまま活かして
「和」の美を発信する国際交流サロンの、蔵のギャラリー。
高い天井の中ほどにある太い梁を利用して、作品を吊り下げた。
壁面には白川郁栄さんの細密画のようなイラストや版画。
ヤイロチョウや四季折々の動植物が、楽しげな世界を作り出している。
初日の最初に訪れたのは、大阪から来た男性3人組。
よく金沢に来るようで、金沢のことにやたら詳しく、
地元民も知らない意外な統計(金沢人が一番労働時間が長い、など)や、
いろんなお店の話を、面白可笑しく語るので、つい話しがはずんでしまった。
まるでイカロスのように。
先日、NHKの宇宙ステーションからの生放送番組を、
用事をしながら見るともなしに聞いていたら、
アイソン彗星が宇宙を旅し始めたのが100万年前、
旅から80万年目に、地球に人類が発生したという事を語っていた。
太陽に接近した後、とても明るくなる彗星を期待していた天文愛好家は
がっかりした訳だけれど、
私にはむしろ、100万年旅した彗星の終焉に人類が遭遇するのは、
そう滅多にない機会なのでは、と思った。
空の高みに挑んで、太陽熱で人造の翼が解けて墜落したイカロス親子の神話。
古代に何か似たような天文的現象があったのではないだろうか。
神話や伝説には往々にして、根拠となる事象が隠されていることがある。
そして今、地上の巨大な明るい星がひとつ消えた。
南アフリカのネルソン・マンデラ氏。
平等と自由のため一人の人間が大きな力に挑み、墜落することなく
しなやかに世界を変えた。
南アではまだまだ経済格差やいろんな問題が山積みのようだが、
獲得された自由な心は、後退することがないだろう。
一方で、平和な民主主義国家であるはずの日本は、
言論と行動を互いに監視し合う、暗い時代の到来を予感させる恐ろしい法案が、
これだけの世論の反対を無視して、強行に押し進められてしまった。
健やかに成長して、枝から枝に飛んだりますます活発に活動している。
電線にとまるコサギ
左岸のゴイサギのヒナたちも少し大きくなった。もうじき巣立ちそう。
遊歩道横の叢は晩夏の陽を受けて、勢いよく伸びた蔓がまるで燃え上がるよう。
夕方、近隣の田畑に採餌に出かけていた親鳥と十分飛べるようになった子らが
次々と群で帰ってくる。夕空が歓喜であふれるように。
そして夕闇に沈んでいく木立の上で、いつまでも羽ばたきする沢山の白い点は
まるで無数の星がまたたいているように見える。
空を舞うサギたちにうっとりしていたら、
散歩の男性が声をかけてきて、こう教えて下さった。
「サギたちが朝一斉に飛び立つところを見たくて、先日早起きしてみました。
それは見事ですよ。ちょうど日の出の時間に朝日を浴びて飛ぶ姿は
白い羽が翠がかって見えるほどきれいでした。」
その早朝の飛び立ちを、私も見たくなった。
強風に重い雲が払われて、雲の切れ目の青空から
陽光がさっと射したり、目まぐるしく天気が変わる。
空模様が一時も留まらないのがイギリスの天気。
ヨークシャーの野には、よく雲の影が走って、田園の色彩が刻々変化していた。
そんな事を思い出していたら、
イギリスの叔母からクリスマスプディングが届いた。
何でも11月中に買うと幾分安いらしい。
プディングといってもプリン状のお菓子ではなく、
ドライフルーツがたっぷり入った硬いパウンドケーキのようなもので、
何ヶ月でももつ保存食のよう。
子供のころ、ヨークシャーのおばあちゃんが時々
手製のクリスマスプディングを送ってくれた。
刻んだオレンジの皮の砂糖漬けがたっぷり入って、いろんな香りがして、
それを少しづつ削って食べるのは、とても楽しみだった。
ドイツでもシュトレンという伝統的なクリスマスケーキがあって、
イギリスではこれも好まれるらしい。
後年、ドイツのお菓子に何かなつかしさを覚えたのは、
子供のころから慣れ親しんだクリスマスプディングに良く似た味だった
かもしれない。
今回叔母が送ってくれたのは、所狭しとチェリーやクルミやナッツが乗ったもの。
マジパンでできたつたの葉が星のよう。
日持ちがするので、クリスマスまで置いておきましょうという私に、
食べてみてどんな味か叔母に報告せねばと母が言うので、
一切れづつ賞味してみた。
市販のものだから洋酒の香りもなく、
おばあちゃんのプディングのようなオレンジも入っていないけれど、
ちょうどM.プルーストのマドレーヌ菓子のように、
子供時代の冬のお茶の間がたち現れるような、そんな味がした。
と同時に、今はもういないおばあちゃんの、ヨークシャー訛りの
やさしい口調を思い出していた。
ゴイサギのまだ小さなヒナがいるサギコロニーの左岸は、
話し合いで残される事になり、工事の開始も10月に延期になったが、
爆竹でサギを脅す遊びをまたやりそうな小学生、7月末に連続する花火大会、
大雨など、小さなヒナや繁殖に入ったばかりのゴイサギにとっての
悪影響が懸念される事が続くので、サギコロニーから目が離せない。
コロニーは成長したヒナたちでますます数が増えたように見える。
実際、他所で生まれたらしいダイサギ(夏鳥のチュウダイサギ)の若鳥も、
ゴイサギも増え、8月半ばには2000羽を超えていたようだ。
8月前半病いに倒れ、抗生物質の点滴に通院しなければならなくなった。
思うように動かせない身体で、薬液の滴が落ちるのをじっと見ている間にも、
瞼の裏には、巣立ったヒナたちが一生懸命羽ばたき練習をしている姿が浮かんでいた。
ようやく動けるようになってコロニーに急ぐ私にも、翼が生えたかのようだった。
アマサギのヒナがずい分大きくなっている。
チュウサギのヒナも美しく成長。
活発なヒナに餌を与え続け、顔が傷だらけになったチュウサギの親鳥。
その姿に感動を覚える。
この時期になってもまだ小さなヒナのいるゴイサギの巣が見つかる。
茶色が薄くなって白い冬羽に換わりつつあるアマサギが増えてきた。
しかも半端な雨ではなく、一時的だが観測史上最高という雨量を記録したり、
雨音がやたらうるさいと思っていたら、いつの間にかあられに変わって
それが積もっていたりする。
本来北陸の11月は、その暗いイメージに反して案外晴れの日が多かったのだが。
12月~1月並の気温になる寒波の合間に、貴重な小春日和がはさまれる。
こんな日をドイツでは「老婦人の夏」と呼ぶらしい。
穏やかな日差しの中、今年最後の池の水換えをした。
水温が下がって、2日前からパタッとごはんをあまり食べなくなった池の金魚たち。
水がきれいになってのんびりとくつろいでいた。
池のほとりのモミジは、先日の寒波でいつもの年よりいっそう紅くなった。
夕方後片付けをしていると、吊り籠の中のバナナやクルミを食べたい
ヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイスが相次いで、「まだ終わらないの」
といったふうに鳴いた。
メジロの群が近くを通過する声も聞こえた。
厚いコートを着込んで集まった中流域鳥調査メンバーも、途中で上着を脱いだ。
この一帯の河川工事も、いつまでも終わらない。水鳥の姿もまばら。
それでもカワアイサやセグロカモメが戻ってきた。
緑地公園ではヒヨドリが群で騒いでいるし、シメやアオジもいて、
冬鳥の季節到来を感じさせる。
今年の紅葉はあまり綺麗ではなさそうだが、それでも黄や赤が
風景に混じり始め、陽を受けて鮮やかに輝く。
イカルチドリがキラキラ光る川面で日向ぼっこ。
少し上流では、サケが必死で産卵していた。もう赤色が抜けて半ば白くなりながら。
多忙状態が続いてまだ体調不良の私が、帰路の途中でダウンしているところを、
近寄ってきたモズのつがいが、興味深げに見物していた。
内川鎮守の森ギャラリーⅢ2013。
今年は超多忙の挙句体調を崩し、作品の搬入出時以外あまり会場にいられず、
残念ながら全会場の作品が見られなかったのですが、
このアートイベントの雰囲気を、少し写真でお伝えします。
左下は竹で染めて織ったというローブ。微妙で不思議な色合いです。
竹の小径では、竹をイメージした音楽のライヴ演奏。
竹の切り口の上の青いお皿を持ち上げると、節に溜まった水が空を映します。
作品のタイトルは、「川のもの語り」。
手指がひどい状態。キーボードを触るのも難儀です。
内川の報告など、もう少し後に載せますね。
秋のアートイベントとして、すっかり定着した感のある“内川鎮守”は
今年21回目になる。
実行委員が交代するせいか、第三ステージとして正式名称は
「内川鎮守の森ギャラリーⅢ」になった。
今回も展覧会に加え、コンサートやパフォーマンスなど多彩な内容。
毎年秋のこの時期だから、屋外に作品を設置する私にとって
天候の具合は大問題。
27日に作品設置の予定を、台風の影響でまだ雨が残るかもしれないと、
翌月曜日に延ばし、その28日は好天に恵まれて作業がし易かった。
週間予報ではその後も晴れ続きで、今年は滅多にない雨に会わない会期に
なるかな、と期待していたのに、秋の天候は気まぐれ。
その後、2回目の設置日の今日までに雨が降り、また会期後半も雨が降るらしい。
とにかく第1回目の設置で空間の形がほぼ出来上がった。
タイトルは「川のもの語り」。
竹林のなだらかな斜面に、蛇行する川のような流れを作りたいと思っていた。
最初、ロープの張力でたわませた布を、間隔をあまり置かず連ねる計画をしていたが、
生えている竹の位置は、自分の都合で変えられない。
その場に合わせて設置方法を工夫していくのが、「野外ワーク」の醍醐味でもある。
長三角形の布と布の間を開けたことで、かえって流れに躍動感が生まれた。
10月に入ってもサギコロニーのサギたちは渡らずに残っていた。
日に日にその数は減るとはいえ、半ば頃もまだ70羽ほど
日暮れの時間になると戻って来ていた。
工事の準備も、また工事にかかっている様子も無かった。
大型台風が伊豆大島を襲った翌々日の19日、雨の止むのを待って
夕方サギコロニーに行ってみた。
何か様子が違うと、右岸から、中州の木がまばらな所越しに左岸を見ると、
工事はせずにそのまま残す約束のはずの木立が無くなっていた!!!
何かの間違いではないか・・・
この場所より少し下流の河岸は、中州を残す関係上、川幅確保のため、
削られるのもやむを得ず、とこちらも了承し、
また、この木立の下流端にある水門の周囲も、少しだけ削りたいという
河川課の言い分を呑んでいたのだが・・・・・。
急いで左岸に回ると、まだ工事業者が二人、作業の後片付けをしていた。
「ちょっと木を切りすぎのようです。様子を見させて下さい。」と、
現場に行くと、残るはずの木立の半分が切られていた。
ここはサギの巣の密集地帯。重要な場所の一つである。
下の写真の上部は、9月9日の夕方、採餌から戻ってきたサギたちが休んでいる。
下部が現在の様子。サギが点々ととまっていた木がことごとく無くなって、
遊歩道の端のコンクリートが剥き出しになっている。
業者は図面を二枚持っていて、一枚は9月24日に野鳥の会と河川課が
工事前の最終確認として現地立会いした時使ったもののコピー。
向こうが見取り図など用意しないものだから、私がグーグルマップを参考に
簡単な図を作って、残したい木立や中州の位置を、ざっと青く塗ったもの。
二枚目は、それを実測図と照らして図面上で計ったらこうなりました、
という業者の工事図面。
先の図面はあくまでも木立や中州の位置の目安のためのものにすぎないのに、
何か汚いやり方でペテンにかけられたような気持ちになった。
「この工事図面通りなら、もっと木を切らなければなりません。」と業者。
「とにかくここで止めてください。河川課とまた話します。」と私。
話すうちに、左岸と右岸の工事業者は別なことが分かった。
同一業者なら、川幅確保のための調整ができるだろうが、
別々なら、図面どおりにやるしかない。
また、取り除く土砂の量で県と契約していることも分かった。
河川課が話していたような川底の掘削もしないらしい。
そうなると業者としても、なるべく河岸を多く削って、土砂の量を
確保したいに違いない。
帰ってから野鳥の会副支部長に大急ぎで連絡した。
翌日は日曜日。副支部長は月曜の午後なら動けるとのことで、
翌々日の午後、現地で落ち合うことにした。
以下、この件をいつも心配してくれる友人Nに送ったメールから。
月曜の朝、先日現地で話した河川課の人に電話すると、
「あれはうち等がそう指示したんだわ。やっぱりあれくらい削らんとダメやわ。
伊豆大島の事があるから、土砂をもっと取ってくれー、という電話が
ジャンジャンかかって、うち等も困っとるんや。」
嘘ばっかり。工事図面は伊豆大島災害の前に出来ているはずなのに。
電話で喧嘩してもしようがないので、河川課の人とも午後現地で会う事に
なりました。
サギコロニーに少し早めに行って、まず副支部長と、
9月24日に河川課と現地立会いで合意した時の図面と、
業者の図面を私が写真に撮ったものを照らし合わせてみました。
先の現地立会いに使った図面は、河川課が見取り図を用意してくれないものだから、
私がグーグルマップを元に作った簡単なもので、
その図上に、この中州、この木立・・と、残す場所を青で塗りつぶし、
削る箇所をボールペンで記したものです。
その木立の削る部分は、面積では全体の5分の1以下。
ところが河川課は、そのメモ代わりの図面を実測図と重ねて、
木を切る範囲を拡大したようです。
まだ工事にかかっていない右岸もどうするつもりか、現地で説明して欲しいと
河川課に言っておいたので、
河川課から二人、両業者から数人づつがやって来て、
先ずサギコロニーの右岸を一緒に歩きました。
両業者の責任者らしい方々は実直そうで、右岸は我々の要望どおりに
なりそうで、ひとまず安心。
問題の左岸の木立。図面通りならもっと木が伐採される事になりますが、
業者さんがこれ以上切ると何も無くなるからどうしようと、
むしろ残しておいてくれた事が分かりました。
それで、現状維持ということで、結局折り合いをつけたのですが、
その間ずっと、私は河川課の人と喧々囂々と言い合い、
はたから見たらまるで漫才のようだったでしょうね。
「苦情の電話」というのも、追求していくと、そんなに多くもないと分かったし、
サギたちを心配する電話も、同時にかかってくることも引き出せました。
まったく、隙を突かれた感じです。
工事は少しづつ進んでいます。サギたちはまだ30羽以上います。
コロニーの3箇所を残すため、河岸の他の場所の木々はみな切られます。
ハグロトンボが群れていた水辺の草も無くなってしまいます。
ずい分様子が変わるでしょう。
サギたちが来年安心して戻って来られるかも心配です。
防災のためとはいえ、自然の草木を切る事に何のためらいもない、
そんな石川県の姿勢や感覚に、何か荒廃したものを感じ、
情けなくなります。
自然を尊敬し、うまく折り合って分相応に生きるという、
アイヌや北米先住民のような、先人の文化と知恵を、
我々現代人はどうして継承できなかったのでしょうね。
で、こんなことがあるものだから、「内川鎮守の森ギャラリー」の
作品搬入を目前にしても、河川工事の監視はますます緩められず、
ますます睡眠時間を削る日々が続いたのだった。
7月22日、野鳥の会の元副代表、現副代表と共に県央土木を訪ねた。
なかなかかみ合わない話し合い。喧々囂々と言い合った挙句、
サギコロニーで、絶対手をつけないで欲しい部分、
その代わりに削るのもやむを得ないという河岸の部分の線引きをし、
一応合意に達した。
(そのやりとりの様子は、現在の超多忙時期を過ぎたら、
書き足していくつもりです。)
そして、工事しないで残す部分に、懸念の左岸・上流寄りを
入れることが出来て、少し安堵できた。
県央土木の帰り、コロニーの様子を見に行った。
今回の話し合いで残すことが決まった左岸・上流寄りの木立に、
これから抱卵というゴイサギがいた!
水辺には、巣立ったけれどまだ小さいゴイサギのヒナ・ホシゴイ。
左岸をさらに下流の方に行くと、
パンパンという音と共に、サギたちが一斉に飛び立って
パニック状態でぐるぐる旋回をしている。
小学生の男の子二人が、爆竹でサギを脅して遊んでいたのだった。
サギたちがどんなに一生懸命子育てをしているか、二人に話し、
こんなひどい事をしてはダメと、注意したが、
彼らはまたやるつもりの感じで、こちらにも警戒しなければならなくなった。
小さかったチュウサギのヒナが、これだけ成長した。
こちらのヒナはかなり大きくなって、もうじき跳びまわれそう。
6月の末頃から左岸にも回って観察記録を付け始めた。
工事の予定箇所に入っている、左岸・上流寄りの木立に
この時期から繁殖を始めている、またこれから繁殖に入ろうという
ゴイサギが急に増えてきた。
ゴイサギのヒナは、生まれて20日ほどで巣立つが、
それから飛べるようになるまで40-50日かかる。
工事が始まるまでに無事成長できるだろうか。
時間が迫っている。これはマズイ。何とかせねば。
まだ巣立ち前のゴイサギのヒナ。
別の巣ではもっと小さいヒナが親鳥に甘えている。
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