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Posted by Ru Na - 2011.04.30,Sat
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今年もラ・フォル・ジュルネ金沢が始まった。
フランスのナント市で生まれたこの音楽祭が金沢でも開催されるようになって4回目。
今年のテーマは「ウィーンのシューベルト」。

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短いコンサートを手軽な入場料で、1日にいくつでもハシゴして聴いてね、
という趣旨の音楽祭だけれど、人気の演目は早くからチケットが売り切れ。
1年目は行きたいコンサートの当日券が手に入らず、あきらめた。
おととしはいち早くチケットを買って、モーツァルトとC.P.E.バッハの
お目当てのコンサートを聴くことができた。
せっかくのGW中なので、お出かけしたい日程との調整が難しく、
去年は新潟のフォル・ジュルネで、J.S.バッハとショパンの組み合わせの
コンサートを一つ聴いた。

今年は、福島原発事故のせいで、来日しないアーティストが増えて、
東京のフォル・ジュルネは中止になり、金沢や新潟でもプログラムが大幅変更。
行きたいコンサートがないわけではないが、日程調整がつかず、
今年の本公演はあきらめていたが、
プレイヴェントに急きょ決まった、震災復興支援チャリティーコンサートの券をもらってしまい、
今日夕方のプログラムを、母と聴きに行った。

地元音楽家によるオール・シューベルトの演目。
高校生によるピアノソナタ№19の第一楽章のみの演奏もなかなか良かったが、
最後に、朝倉あづささんというソプラノ歌手による、「野ばら」「糸を紡ぐグレートヒェン」には
いたく感動した。
他の演奏家もそこそこのレベルだと思ったけれど、この人の歌唱は一段上のよう。
すばらしい声に表現力。独語の歌詞が生きた言葉として胸に迫る。
「ファスト」のグレートヒェンは、オフェーリア同様愛する人に裏切られて狂乱する。
その不安が糸車の回転と共に増してゆく狂気の物語が、短い歌曲の中に
ありありと浮かんでくるようだった。
こんなすばらしい歌手がいるとは知らなかった。

プレイヴェントの期間で、まだCDや食べ物の屋台もなかったし、
楽器触り放題のコーナーもなかったけれど、ごちそうさまの一日になった。

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金沢市在住の美術家
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