見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたこと。
Posted by Ru Na - 2011.04.09,Sat
最初にあの恐ろしい津波の映像を見てから、ずっと気になっていることがあった。
以前NHKアーカイヴで見た、仙台平野のイグネと呼ばれる屋敷林がある地区、
長喜城の安否である。
農家の家屋敷がこんもりとした雑木林に囲まれていて、さながら森の中の家のようである。
番組を何気なく見ていて、その自然やそこに生きる人々の情景があまりにも素敵で、
途中から思わず録画してしまった。私のお宝映像である。
東北地方の被災の状況が分かるにつれ、ますます気になって調べてみたら、
長喜城は津波で流された遺体が多く発見された若林地区にあった。
私同様にイグネの生活に魅せられていた人が多くいるらしく、
震災直後から、ネット上には長喜城の安否を訪ねる書き込みが相次いだが、
問いへの答えはなかった。
3月29日の朝日新聞に載った、航空写真を基にした津波被害の地図を
グーグルマップと照らし合わせて、いくら見ても長喜城の辺りはひどく浸水している。
あの美しい森は流されてしまったのだろうか。
映像で見たイグネの中に住む人々が、慈しんで手入れし育てた森には、
住民が集まって花見をする桜もあり、さまざまな小動物や野鳥の巣もあり、
自然と共存する人間の理想的な生活に思えたのだけれど。何と惨い。
後に見つけたネット上の映像では、若林地区の痛ましく荒廃した中にも、
木立が残っている所もあった。
長喜城の皆さんは、無事に避難できたのだろうか。
流されずに残った森で、生活を再建できそうな所はどのくらいあるのだろうか。
私は情報を収集しつづけている。
平将門直系の殿様がいる相馬市も気になっていた。
家来衆の子孫が、年に一度、先祖伝来の甲冑を着け馳せ参じるという
あの野馬追いの祭りがよく知られている。
殿様は無事で、被災地に援助物資の野菜など配っていたというが、
その他の情報はなく、人と共に馬達もどうしているか心配だったが、
ようやく少し状況が分かってきた。
津波に流されながらも救助された馬も多くいたという話には、ちょっと嬉しくなった。
県外に疎開した馬も多数。しかしいまだ安否の分からない武者メンバーもいるという。
それに、代々大切にしてきた武具を、すっかり失った方々もいるのでは。
そして、野馬追いの会場は、福島第1原発の30km以内に入っているので、
この伝統的な行事の存続も危ぶまれているとのこと。
福島県も、歴史と文化の宝庫。
知れば知るほど、我々が失ったものの大きさに絶句する。
10ヶ月後の追記 :
大震災から早や10ヶ月以上経った。
私の住む北陸は、次々とやって来る寒波で雪に閉ざされている。
仙台平野の寒さは、如何ばかりだろうか。
静かな楽園、イグネのその後を気にかけながら、実際に現地に赴けないこの身が歯がゆい。
塩害から木々を救うための、何らかの対策はあるのだろうか。
この冬、全国的に冬の渡り鳥が少ないそうである。
夏のシベリアの異常低温などの原因も云われているが、震災の影響もあるかもしれない。
森に住んでいた野鳥たちや色んな生きものたちは、どうなっているのだろうか。
以前NHKアーカイヴで見た、仙台平野のイグネと呼ばれる屋敷林がある地区、
長喜城の安否である。
農家の家屋敷がこんもりとした雑木林に囲まれていて、さながら森の中の家のようである。
番組を何気なく見ていて、その自然やそこに生きる人々の情景があまりにも素敵で、
途中から思わず録画してしまった。私のお宝映像である。
東北地方の被災の状況が分かるにつれ、ますます気になって調べてみたら、
長喜城は津波で流された遺体が多く発見された若林地区にあった。
私同様にイグネの生活に魅せられていた人が多くいるらしく、
震災直後から、ネット上には長喜城の安否を訪ねる書き込みが相次いだが、
問いへの答えはなかった。
3月29日の朝日新聞に載った、航空写真を基にした津波被害の地図を
グーグルマップと照らし合わせて、いくら見ても長喜城の辺りはひどく浸水している。
あの美しい森は流されてしまったのだろうか。
映像で見たイグネの中に住む人々が、慈しんで手入れし育てた森には、
住民が集まって花見をする桜もあり、さまざまな小動物や野鳥の巣もあり、
自然と共存する人間の理想的な生活に思えたのだけれど。何と惨い。
後に見つけたネット上の映像では、若林地区の痛ましく荒廃した中にも、
木立が残っている所もあった。
長喜城の皆さんは、無事に避難できたのだろうか。
流されずに残った森で、生活を再建できそうな所はどのくらいあるのだろうか。
私は情報を収集しつづけている。
平将門直系の殿様がいる相馬市も気になっていた。
家来衆の子孫が、年に一度、先祖伝来の甲冑を着け馳せ参じるという
あの野馬追いの祭りがよく知られている。
殿様は無事で、被災地に援助物資の野菜など配っていたというが、
その他の情報はなく、人と共に馬達もどうしているか心配だったが、
ようやく少し状況が分かってきた。
津波に流されながらも救助された馬も多くいたという話には、ちょっと嬉しくなった。
県外に疎開した馬も多数。しかしいまだ安否の分からない武者メンバーもいるという。
それに、代々大切にしてきた武具を、すっかり失った方々もいるのでは。
そして、野馬追いの会場は、福島第1原発の30km以内に入っているので、
この伝統的な行事の存続も危ぶまれているとのこと。
福島県も、歴史と文化の宝庫。
知れば知るほど、我々が失ったものの大きさに絶句する。
10ヶ月後の追記 :
大震災から早や10ヶ月以上経った。
私の住む北陸は、次々とやって来る寒波で雪に閉ざされている。
仙台平野の寒さは、如何ばかりだろうか。
静かな楽園、イグネのその後を気にかけながら、実際に現地に赴けないこの身が歯がゆい。
塩害から木々を救うための、何らかの対策はあるのだろうか。
この冬、全国的に冬の渡り鳥が少ないそうである。
夏のシベリアの異常低温などの原因も云われているが、震災の影響もあるかもしれない。
森に住んでいた野鳥たちや色んな生きものたちは、どうなっているのだろうか。
追記:1
その後ネット上で、-長喜城の土台は土盛してあるので津波の被害は免れたらしい-。
という書き込みを見つけた。
グーグルマップの航空写真で見ると、確かに木立や家の屋根、
共同で稲の苗を育てているという大きなビニールハウスらしきものが見分けられた。
しかし、グーグルおそるべし。
すでに仙台平野の津波被害の痕跡の画像になっているではないか。
なぎ倒された松林の痛々しい姿や、浸水した田畑の様子がはっきり分かって、
災害の大きさに暗澹としてしまう。
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金沢市在住の美術家
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