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Posted by Ru Na - 2017.03.09,Thu
英国の音楽家で、私が気になっているもう一人のDavidがいる。
デヴィッド・マンロウ。ロンドン古楽コンソートを主宰した
古楽研究家で管楽器奏者。
デビッド・ボウイと同じDavidの名であるが、日本語表記はなぜか
デイヴィッドとなっている事が多い。
1942年生まれだから、ボウイの5歳年上。(J.レノンの2歳年下。)

デヴィッド・マンロウを知ったのは、全くの偶然、
たまたま手にしたCDの奏者だった。

かって我が町には、中心街にクラシック音楽専門のCD店があった。
この町の規模にしては大きく品揃えも良く、どうも全国的にも
知られた店だったらしい。
家からも割りと近く、便利のいい場所だったので、しょっ中入り浸っていた。

昔は廉価版Boxセットなどは少なく、ほぼいつも金欠だったので(今も)、
定価2~3千円のCDを1枚買うにあたっては、しばしの黙考と決断が必要
だったが(今も)、掘り出し物ワゴンセールが大好きで(今も)、
その店にいる半分くらいの時間は、何か面白いものがないかと、
ワゴンの中のCDを1枚づつ引っ張り出しては眺めていた。
そして定価の半額くらいになっていると、有名作曲家、有名曲、有名演奏家
以外のちょっと変わったものでも手が出しやすかった。
お陰で、古代ギリシア音楽、ロシア正教の鐘の音、ルネサンス時代の俗謡、
ポーランド現代音楽・・・等々、幅広いタイプのコレクションができた。

その中で特に気に入ったのは、ゴシック期の音楽という1枚。

    

中世写本のジャケットに心惹かれてつい買ってしまったCD。
聴いてびっくり、涼やかなポリフォニーの声楽と鐘の音、
ノリのいいリズム。さわやかな風に吹かれているような美しさで、
何時いかなる時でも聴いていたい1枚になった。

それまで、J.S.バッハなどバロック期以前の教会音楽といえば
グレゴリオ聖歌しか知らなかった。
このノートルダム楽派の音楽は、私の古楽に対する興味に火を点けた。
もっと色々聴いてみたいと思い、他の演奏家によるCDも入手したが、
先のこの1枚のような魅力に乏しかった。
このアルヒーフというレーベルから出ているCDの演奏家こそ
デヴィット・マンロウとロンドン古楽コンソートである。

デビット・マンロウの他のCDも探してみたが、当時は見つけられず、
ネットで検索、なんてこともしない時代だったので、
気になりながらも年月が過ぎた。
ようやく大阪の、やはり今は無きクラシックCD専門店で
マンロウの別のCDを見つけた。「十字軍の音楽」。

もうこの頃になると、音楽史の本も何冊か読んでいて、
例として載っているバロック以前の曲の楽譜も拾い読みしたりしていた。
やれ、南仏トルバドゥールの曲だ、北仏トルヴェールはないかしら?
楽譜で読んだ曲をプロの演奏家の実際の演奏で聴きたい。
ベルナール・ド・ヴァンタドゥールはどの演奏家がいいかしら?
イベリア半島のユダヤ音楽? 赤い写本の音楽もあるね、
ギョーム・ド・マショーはやっぱりいいね・・・など、目移りするものが
あまりにも多いCDの山の中で、古典派ほどポピュラーではないので、
ただでさえ単独では値の張る古楽の輸入CD、演奏家にも色々こだわりが
できていたので、どの1枚を買おうか、いつも決めかねていて
マンロウのCDが最優先という訳でもなかった。
そして、この演奏家がどのような人であったかを知ったのは
もっと後のことである。










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