見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたこと。
Posted by Ru Na - 2010.12.25,Sat
Joyeux Noël à tout le monde!
一年の最後の月、クリスマスから降誕節が始まる。
イエスキリストの誕生日は、正確には分かっていないが、
四世紀頃に、一年で一番長い夜の季節にこそ希望の灯をともそうと、
クリスマスを12月25日に定めた、という説を聞いたことがある。
それから幾世紀、クリスマスは民俗、宗教を超えた世界的な楽しい行事となり、
世界中あちこちで街角は華やかに飾られ、人々は思い思いの祝祭を過ごす。
寒波がやって来て、舞う雪が薄っすらと街を覆い始めたイヴに
我が家でも、ささやかな飾りつけの下で、ささやかなクリスマスの食卓を囲んだ。
クリスマスには様々な思い出がある。
祖母がクリスチャンだったので、
子供の頃はよく教会のクリスマス礼拝に
雪道を歩いて出かけたものだった。
24日の晩になると、家の外から
よく賛美歌が聞こえた。
ローソクを手にしたクリスマスキャロルの
一行が訪ねて来たのである。
私も一度キャロルに参加したことがある。
みぞれ混じりの宵、教会の信者の家を
一軒づつ回って歌うのは楽しかった。
キリスト教系の幼稚園に行っていたので、
小学生になっても、そのまま同じ幼稚園の
日曜学校に、中学を卒業するまで通った。
そこでは、クリスマスにキリスト降誕の
聖劇を子供たちで演じる慣わしだった。
最年少クラスは、たいてい羊の役。
大きくなるにつれ、羊飼い役や宿屋の人、
東方の三博士、といろんな役をした。
天使役になれると、白くて薄いベールを
まとい、頭にきらきらした銀の輪を被れるのが嬉しかった。
小学生の時はついに、あこがれの聖母マリア役が一度だけ回ってきた。
(途中とちってしまったが。)
中学生になると、もっぱら聖歌隊。進行役でもある。
その後、宗教を外側から見るようになり、
教会から離れてしまったが、
降誕劇で覚えた台詞は、
今でもすぐ口をついて出てくるし、
聖書の物語を沢山聞いたのは、
後年、西洋美術や文学などを
理解する上で、大いに役立っている。
何より、幼い頃から美しい旋律と
美しい言葉に満ちた賛美歌に
触れられたのは幸いだったと思う。
まぶねのかたえに われは立ちて
受けたるたまもの たたえまつる
いのちのいのちよ わがものすべてを
とりて よきしたまえ
天(あめ)には栄え 御神にあれや
土には安き 人にあれやと
御使いたちが たたうる歌を
聞きてもろびと ともに喜び
いまぞ生まれし 御子をたたえん
上の賛美歌は、J.S.バッハのモッテット、
下のものはメンデルスゾーンの作曲だと後年知った。
すぐれた音楽とすぐれた訳詩は(記憶にたよって書いているので
正確かどうか)小さな子供の胸にも深く刻み込まれる。
それから、クリスマスの色彩。
私が子供の頃はまだ、クリスマスは一般的ではなく、
今のように飾りが街にあふれているということはなかった。
入園前のごく幼い頃から、親が目を離したすきに、一人でトコトコ幼稚園まで
遊びに行っていたほど幼稚園っ子だったらしい私の記憶に、
今もなおはっきり残っている光景がある。2歳ごろだったろうか。
広い玄関を入ったところの、広いホールの奥、磨きこまれた古い濃い茶色の床板に
大きなツリーが置かれていて、濃い緑の樅の枝に無数に飾られている金と赤の飾り。
赤・金・緑・茶 の日常では見られない色の組み合わせに、ただもう、うっとりとしていた。
園長先生が、金のリボンを十字にかけた赤い包み紙にくるまれた小箱を、
ツリーから一つはずして下さったのを覚えている。
それ以来、クリスマスは子供の頃の最も美的な色彩の日になった。
南フランスのマルセイユに留学した時に知ったこと。
プロヴァンス地方では、「サントン」という素焼きの人形に色をつけたものを、
クリスマスに飾るのが一般的。
12月になるとマルセイユの中心街にサントン市がたつ。
それぞれの工房が店を出しているので、工房によって微妙に違う作りの人形を、
市を回って、お気に入りの表情をしたものを見つけるのが、マルセイユっ子の楽しみである。
古代ギリシアのタナグラ人形が起源というサントン。
旧港の近くの博物館で、とても古い大きなサントンを見ることができる。
プロヴァンスの伝統装束を着た人形が多く、キリストの生誕の情景を作って、
周りをプロヴァンス人達が取り囲むような形に配置する。
(私はあまり色んなサントンを買って来なかったので、それを今再現できないが。)
スペインの市場でも、似たようななものが売られていたが、
こちらはプラスチック製だった。
古いドイツ民謡に、樅の木を歌ったものが多数あることからして、
どうやらツリーはドイツなど北の国のものらしい。
イギリスでは、クリスマス三ヶ日の感覚で、26日はボキシング・ディといって、
プレゼントを開ける日らしい。
国によって様々な習慣があるが、特にヨーロッパでは、キリスト教以前の土着の宗教の
(例えばドルイド教など)風習の影響を、色濃く残しているように思われる。
一年の最後の月、クリスマスから降誕節が始まる。
イエスキリストの誕生日は、正確には分かっていないが、
四世紀頃に、一年で一番長い夜の季節にこそ希望の灯をともそうと、
クリスマスを12月25日に定めた、という説を聞いたことがある。
それから幾世紀、クリスマスは民俗、宗教を超えた世界的な楽しい行事となり、
世界中あちこちで街角は華やかに飾られ、人々は思い思いの祝祭を過ごす。
寒波がやって来て、舞う雪が薄っすらと街を覆い始めたイヴに
我が家でも、ささやかな飾りつけの下で、ささやかなクリスマスの食卓を囲んだ。
クリスマスには様々な思い出がある。
祖母がクリスチャンだったので、
子供の頃はよく教会のクリスマス礼拝に
雪道を歩いて出かけたものだった。
24日の晩になると、家の外から
よく賛美歌が聞こえた。
ローソクを手にしたクリスマスキャロルの
一行が訪ねて来たのである。
私も一度キャロルに参加したことがある。
みぞれ混じりの宵、教会の信者の家を
一軒づつ回って歌うのは楽しかった。
キリスト教系の幼稚園に行っていたので、
小学生になっても、そのまま同じ幼稚園の
日曜学校に、中学を卒業するまで通った。
そこでは、クリスマスにキリスト降誕の
聖劇を子供たちで演じる慣わしだった。
最年少クラスは、たいてい羊の役。
大きくなるにつれ、羊飼い役や宿屋の人、
東方の三博士、といろんな役をした。
天使役になれると、白くて薄いベールを
まとい、頭にきらきらした銀の輪を被れるのが嬉しかった。
小学生の時はついに、あこがれの聖母マリア役が一度だけ回ってきた。
(途中とちってしまったが。)
中学生になると、もっぱら聖歌隊。進行役でもある。
その後、宗教を外側から見るようになり、
教会から離れてしまったが、
降誕劇で覚えた台詞は、
今でもすぐ口をついて出てくるし、
聖書の物語を沢山聞いたのは、
後年、西洋美術や文学などを
理解する上で、大いに役立っている。
何より、幼い頃から美しい旋律と
美しい言葉に満ちた賛美歌に
触れられたのは幸いだったと思う。
まぶねのかたえに われは立ちて
受けたるたまもの たたえまつる
いのちのいのちよ わがものすべてを
とりて よきしたまえ
天(あめ)には栄え 御神にあれや
土には安き 人にあれやと
御使いたちが たたうる歌を
聞きてもろびと ともに喜び
いまぞ生まれし 御子をたたえん
上の賛美歌は、J.S.バッハのモッテット、
下のものはメンデルスゾーンの作曲だと後年知った。
すぐれた音楽とすぐれた訳詩は(記憶にたよって書いているので
正確かどうか)小さな子供の胸にも深く刻み込まれる。
それから、クリスマスの色彩。
私が子供の頃はまだ、クリスマスは一般的ではなく、
今のように飾りが街にあふれているということはなかった。
入園前のごく幼い頃から、親が目を離したすきに、一人でトコトコ幼稚園まで
遊びに行っていたほど幼稚園っ子だったらしい私の記憶に、
今もなおはっきり残っている光景がある。2歳ごろだったろうか。
広い玄関を入ったところの、広いホールの奥、磨きこまれた古い濃い茶色の床板に
大きなツリーが置かれていて、濃い緑の樅の枝に無数に飾られている金と赤の飾り。
赤・金・緑・茶 の日常では見られない色の組み合わせに、ただもう、うっとりとしていた。
園長先生が、金のリボンを十字にかけた赤い包み紙にくるまれた小箱を、
ツリーから一つはずして下さったのを覚えている。
それ以来、クリスマスは子供の頃の最も美的な色彩の日になった。
南フランスのマルセイユに留学した時に知ったこと。
プロヴァンス地方では、「サントン」という素焼きの人形に色をつけたものを、
クリスマスに飾るのが一般的。
12月になるとマルセイユの中心街にサントン市がたつ。
それぞれの工房が店を出しているので、工房によって微妙に違う作りの人形を、
市を回って、お気に入りの表情をしたものを見つけるのが、マルセイユっ子の楽しみである。
古代ギリシアのタナグラ人形が起源というサントン。
旧港の近くの博物館で、とても古い大きなサントンを見ることができる。
プロヴァンスの伝統装束を着た人形が多く、キリストの生誕の情景を作って、
周りをプロヴァンス人達が取り囲むような形に配置する。
(私はあまり色んなサントンを買って来なかったので、それを今再現できないが。)
スペインの市場でも、似たようななものが売られていたが、
こちらはプラスチック製だった。
古いドイツ民謡に、樅の木を歌ったものが多数あることからして、
どうやらツリーはドイツなど北の国のものらしい。
イギリスでは、クリスマス三ヶ日の感覚で、26日はボキシング・ディといって、
プレゼントを開ける日らしい。
国によって様々な習慣があるが、特にヨーロッパでは、キリスト教以前の土着の宗教の
(例えばドルイド教など)風習の影響を、色濃く残しているように思われる。
PR
ブログ内検索
カレンダー
プロフィール
HN:
Ru Na
性別:
女性
職業:
金沢市在住の美術家
カテゴリー
最新記事
(11/13)
(07/23)
(08/30)
(09/01)
(03/20)
(12/10)
(07/25)
(02/28)
(11/08)
(07/25)
(04/17)
(12/31)
(11/30)
(10/31)
(09/30)
(08/31)
(07/31)
(06/30)
(05/31)
(04/18)
(03/31)
(02/26)
(02/22)
(01/30)
(12/17)
アーカイブ
訪問者
最新TB
リンク
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
Powered by "Samurai Factory"