11月26日、紅葉に染まる玉泉園を訪れた。
石灯篭だらけの西庭から入る。
ここには“隠れキリシタン灯篭”もある。
兼六園に隣接するこの庭園は、
兼六園の原型になったとも言われている。
築庭した脇田直賢は、幼い頃秀吉の朝鮮出兵のせいで孤児になり、可哀そうに思った
宇喜多秀家が日本に連れ帰り、その後
前田利長夫人の玉泉院に育てられて
前田家の家臣となった。
南宋の山水画を型どったという作りの
回遊式庭園で、
斜面を利用した多層構造のこの庭は、
コンパクトながら、隅から隅まで見事な
造作で、見飽きることがない。
本庭の池を横手から見る。
春には水芭蕉の花が咲く池は今、水に映った紅葉、沈んだ落葉で赤く縁取られている。
本庭の大池に水を注ぎ込む滝と赤岩の上、
上段の庭に登ると、そこにも中央に池、
奥には金沢で一番古いという茶室がある。
茶室の傍には故国を偲んで植えたという
丈高い朝鮮五葉松が、ノウゼンカズラの
蔓を巻き付かせ立っている。
この木は兼六園の中からでもよく見える。
黄と赤の錦織。見ている自分まで染まってしまいそうな心地で、本庭の方に降りる。
石の上、苔の上に散り敷くもみじが
まるで黄と紅の絵の具の点描。
本庭正面。石灯籠が深山の峰の見立てのよう。
東庭の地面に自然にできた三色の染め分け。
Powered by "Samurai Factory"