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Posted by Ru Na - 2014.12.17,Wed
バロック時代の楽器、クラヴィコードによる室内楽コンサートを
県立音楽堂に聴きに行った。

クリスマスツリーが飾られたエントランス。

   

            

J.S.バッハとその次男で、今年生誕300年のC.P.E.バッハの鍵盤曲のプログラム。
演目を新聞で見た時、これはどうしても絶対聴きに行かねばと思った。
なにしろ、C.P.E.バッハの、「専門家と愛好家のためのクラヴィーア集」
とあったのだから。

バッハファミリーの中でも、C.P.E.(カール・フィリップ・エマニュエル)の
シンフォニアは、特に好きだった。
私が持っている音楽史の本には、この曲集の一曲の楽譜が載っている。
その魅力に取り付かれ、もっと他の曲も弾いてみたい、
何より楽譜だけで知っているこのソナタを、プロが演奏するものを聴きたい
と、楽譜やCDを探したが、楽譜は手に入らないし、第1集、第3番が入った
CDもなかなか見つからなかった。

  

それでも徐々にCDは集まり、楽譜は別のソナタ集が2冊がようやく手に入った。

  

コンサートは普段オーケストラが演奏するステージ上に、
楽器と奏者を囲むように客席が設けられた。

       

クラヴィコードはバロック時代の鍵盤楽器で、とても簡素な顔をしている。
「とても音が小さいのです。どのくらい小さいかちょっと弾いてみましょう。」
と、小林道夫さんは平均律第1集1番のプレリュードを弾き始めた。
本当に小さな小さな繊細な音。
どうもこの楽器は、周囲に気兼ねなく弾けるように、家の中の練習用に
用いられたらしい。
「J.S.バッハの奥さんのアンナ・マグダレーナも息子たちも、きっと
この楽器で練習したのでしょう。」と小林先生。

  

音を少しだけ増幅させるスピーカーをクラヴィコードの下に置いて、
前半はJ.S.バッハの曲。
「グレン・グールドの方式に従って」インヴェンションとシンフォニアの
同じ調の2声と3声の曲をセットにして6曲。
平均律第1集から2曲。
最初の第8番は、私が始めて作った映像作品に使ったもので、
この曲を聴くと、雪が降りしきる川のキンクロハジロの姿がつい浮かんでしまう。
次の第13番も、これまた映像作品に使っている。
そして、フランス組曲から第5番。本当に素敵な演奏だった。

間の小林道夫さんの説明がとても面白く、一般向きのコンサートにしては
結構専門的なことも話されるので、もっと聞いていたいくらいだった。

コンサートの前後や休憩時間には、クラヴィコードに近寄って
撮影することも出来た。

  

鍵盤の数は少ないが、大方のバッハの曲はこれで足りるという。

  

後半はC.P.E.バッハの曲。いよいよ「専門家と愛好家のための・・・」
第1集のソナタ第2番。
CDで聴くチェンバロによるものより、もっとかそけき音の繊細さは、
何とも美しかった。

2曲目は、C.P.Eが長年愛用をしていたクラヴィコードを、
彼の熱烈なファンに贈ることになり、いざ手放すとなると愛惜の曲を
作りたくなって書かれたというロンド「さらば、我がジルバーマン・クラヴィーア」。

3曲目は、「スペインのフォリアによる12の変奏曲」。
同じフォリア変奏曲でも、コレッリやマラン・マレよりずっと軽快であった。

  

日本ではあまりポピュラーではないC.P.E.の曲が聴ける機会が
もっとあればいいのに。
グレン・グールドは、ソナタの1曲を録音していて、
彼の音楽をもっと世に広めたいと思っていたらしい。








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