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Posted by Ru Na - 2012.07.16,Mon
カンムリカイツブリたちは、ちゃんと卵を温めているだろうか。
卵が孵るまで何日かかるのだろうか。それまで巣は誰にも見つからず無事でいるだろうか。
と、気になって仕方がない。
また3日後の6月14日の夕方、様子を見に行った。

巣が見える場所に行くと、何だか様子がおかしい。
下流方向のすぐ先に、大きな作業船が係留していて、
巣のある小枝の流木でできた小さい島の形が少し変わっている。

resize6030.jpg
カンムリカイツブリの姿もなく、
座っていた巣も見当たらない。
胸騒ぎがしてきた。

幸い周囲に人影もなく、初めて川原に降りて
巣の近くまで行ってみた。




resize6031.jpg

卵があった巣が本当に無くなっている!
一体何が起こったのだろう。すっかり動揺してしまった。
流木の小さな島は、一度完全にひっくり返されて、
その時に巣が卵もろとも壊れてしまったのかもしれない。
一体誰が。カラスやトビの仕業ではない。誰か人間が面白半分に・・・・?

一番考えられるのは、作業船が側を通った時、引っかけられたか、
大きな横波ができて、そのせいで島がひっくり返ったという事。


resize6032.jpg

彼らが一生懸命集めていた巣材の残骸が残っていた。

このピンク色の花のような小さなものを、巣に置いていた理由は分からないが、
何だか私にはこれが、彼らがこれからしばらく過ごす家を、少しでも楽しく彩りたいという
いじらしい気持ちで、わざわざ選んだささやかな飾りのような気がしていたのだった。

卵は助からなかったかもしれない。では親鳥は無事だったのだろうかと、
周囲を探し回ってみたけれど、その姿をついに見つけることができなかった。

近くの工事現場から、作業船がこんなところまで来ると分かっていたら、
カンムリカイツブリの希少な巣があるから気を付けてと、
注意を呼びかけることも出来たのにと、悔やんでも悔やみきれない思いだった。





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金沢市在住の美術家
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