我が家の周りでも、1年で最も華やぐ季節が始まった。
庭の垣根では
テッセンが満開。
例年、陽の方向のせいか、
花はほとんど隣の庭側に
咲いてしまい、
テッセン好きのお隣の奥さんを
喜ばせているのだけれど、
今年は家の側にも
沢山の花を開かせた。
池のほとりの築山には
葵と蕗が、青々と茂って、
初夏の風情をかもしている。
前庭のキンギョソウ。
ここにも鉢植えのテッセンがあり、
ブルーベルの可憐な花と共に
あたりの空気を青く染めている。
横庭の鉢植えの桜は、
小さなさくらんぼを実らせ、
ヒヨドリたちのおやつに
なっているが、
今年はみんな食べられる前に、
人間用にも、いくらか収穫できた。
小さいのが我が家のさくらんぼ。大きなものはアメリカンブラックチェリー。
金沢城の石垣にきんぽうげが咲き乱れる季節は今だけ。
少しだけ様子見にと、夕方金沢城址公園に出かけた。
キビタキの声が聴きたかったし、運が良ければオオルリにも会えるかもしれないと、
痛めた左足甲がまだ腫れているのだけれど、とにかく行ってみた。
閉園まで1時間をきり、人の姿はほとんどない。
鳥たちのいろんなさえずりが聞こえるが、茂った葉むらのどこにいるのか
なかなか見つからない。
草叢から飛び立ったのはカワラヒワ。セグロセキレイも忙しそうに飛んで行った。
ハシボソガラスも、街中からねぐらに向かうため、そろそろ集結しはじめていた。
シジュウカラやヤブサメの声はするのだけれど、出てきてくれない。
私にはキビタキとオオルリの声の区別がつかないのだが、
(ネットで調べると、キビタキの真似をするオオルリの声、なんて載っていて、
ますます混乱する。)
澄んだ高い声でせわしなく鳴いていたのは、どうもキビタキの方みたいだった。
いろんなさえずりが聞こえる木立の大木を、ふと見上げると、
この前福島潟で見た小鳥に良く似た灰色の鳥が、枯れ枝の上にいた!
辺りを見渡し、ちょっと飛んではまた元の枝にとまる、をくり返していた。
帰ってから調べると、サメビタキだった。
空中の虫をフライングキャッチしていたようだ。
福島潟で見たのは、コサメビタキだったかもしれない。
園を出て、用事のある寺町に行こうと、川辺を通過。
川原に降りたら、あのなつかしいオオヨシキリの声がした!
川原の木々がずいぶん伐採されたので、今年は居場所がないのでは、と心配していたが、
ついに、この川にもオオヨシキリが戻ってきた。
中州も削られてしまい、
川の中には草も小石も
残っていない箇所が
増えたが、
アオサギは定位置に
ちゃんといた。
毎年この時期での開催は、
ニュースで聞くのだが、
まだ見に行ったことがない。
能登の最後の朱鷺、
能里の剥製が、2年ぶりに
公開されているというので、
若葉の木々に囲まれた
歴博に、先日足を運んだ。
第3棟の小さなスペースの入り口に、-朱鷺の卵はどれでしょう。-のコーナーがあって、
右の壁面は、能登の朱鷺の保護に尽力してきた、村本義雄さんによるいろんな資料。
左側には村本さんのコレクション、鳥グッズあれこれ。
細長いスペースの一番奥に、能里さんがいた。
これまでも、朱鷺の写真や映像は見てきたが、剥製とはいえ実物に会うのは初めて。
想像していたより小さくて、実に優美で上品な姿。
淡いコーレルピンクが白い羽の下に見える。なんときれいな色。
これが、正真正銘の朱鷺色!
横のテーブルには古い録音機が置いてあって、能里さんの鳴き声が流れていた。
かって日本のいたるところに朱鷺はいたらしい。
そのきれいな羽毛を取るため捕獲され、さらには田畑の農薬によって
その数は激減したという。
私がもの心ついた頃には、朱鷺の絶滅が危惧されていて、
保護に奔走する村本さんの活動がニュースで伝えられていた。
ついに本州では、能登の一羽だけにになってしまい、
能里さんは独り何年も仲間を探して、鳴きなが飛び回っていたという。
同種がいなくなって、この世にたった独り、というのは
どんなに恐ろしく、寂しいことだったろうか。
能里は1970年に捕獲され、佐渡のトキ保護センターに移され、
佐渡のキンとつがいになったが、子を残さぬまま翌年逝去。
日本最後の朱鷺、キンさんは83年に亡くなった。
中国の山中で発見され、現在佐渡やいしかわ動物園で人工飼育され、
放鳥によって自然繁殖が期待されている朱鷺たちは、
いなくなってしまった日本の朱鷺とDNAが全く同じという。
能里さん、独りじゃないよ、安心して子孫の未来を見守っててね。
博物館を出ると、旧美大の象徴、欅の大木から、
若木に飛び移って遊んでいるシジュウカラがいた。
県立美術館の裏には
オダマキの花。
新緑の上に木漏れ日がゆれる
本多の森の、急な階段を降りる。
旧中村邸には
八重のつつじが
咲いていた。
新発田市の紫雲の郷を訪ねた。
ここは丘陵一帯が自然公園で、その奥の愛鳥センターに行ってみた。
オオタニ桜が花ざかり。
小鳥の澄んだ鳴き声が
響き渡っていた。
センターの建物内には、剥製をはじめ野鳥の資料がたくさん展示されていた。
和紙で作ったトキや
オオワシなどもあった。
その中に何と、
ヤイロチョウの剥製が。
年代はチェックし忘れたが
新潟県内の建物に衝突して
亡くなった子らしい。
センターの周囲の探鳥路へ。
新緑が目に染みるよう。
オオルリかキビタキらしいさえずりがとてもよく聞こえるのだけれど、
声はすれど姿はついに見れず。シジュウカラやヒヨはすぐ見つかった。
帰りに福島潟に寄った。
いちめん菜の花におおわれて、
もう早やオオヨシキリの声が
方々から聞こえ、
かなりの数のヒバリも
いるようだった。
ひょろりとした木の梢に
最初オオヨシキリかと思った
謎の小鳥がいた。
ヒタキ類の♀?
後で調べたら、
コサメビタキだった。
緑色の珊瑚?新種のサボテン?
まるで増殖するフラクタル幾何学みたいなこの不思議な物は一体なんでしょう。
答えはこのページの下部分をお楽しみに。
今日の川。濁流に水が茶色になっていたけれど、
水鳥たちは普通の様子で泳いでいた。
久しぶりに会えたオオバン。
「ちょっと耳でも掻いてみようかなあ。」
「また写真撮るの?いいかげんにしてよ。」
この小さな子たちはコガモの雌?
キンクロハジロ、今日はよく動くね。
さて、正解です。
実は先が尖ったカリフラワー。
茹でてもこのきれいな形は
そのまま残り、食べるのが
もったいないくらい。
多分この螺旋も
フィボナッチ数列に
なっているのでは。
自然の生み出す造形には
いつも感心させられます。
会うのは10年以上ぶり。
私がフランス留学から帰国した時、彼女は東京で仕事していて、
一緒に銀座を歩いたり、歌舞伎座に歌舞伎を見に連れて行ってもらったりもした。
(歌舞伎座に入ったのはこの時の一度だけ。)
彼女が実家のある金沢に仕事場を移してから、しばらくお互いの家を行き来し、
鍋を囲んだり、当時私がよく作っていたアラブ料理クスクスを食べながら、
よもやま話をしていたものだった。
長く会わないでいても、そんな空白期間がなかったみたいに、すぐ夢中でおしゃべりできる、
昔なじみっていいな、とつくづく思う。
友人も現在、私同様アレルギー性皮膚炎に悩んでいる。
酸性雨や黄砂の害の話などしながら、雪がほとんど消えた川原を歩き、水鳥たちを眺めた。
カルガモは相変わらず元気。枯れ草の中には、キンクロハジロがことんと座っている。
2つがいのカワアイサが、さかんに潜ったり羽づくろいしていた。
対岸の草地でダイサギが
ゆっくり歩くのを見ていたら、
バサッと音をたて
アオサギが我々の頭上を通って、
近くの電柱にとまった。
電柱の上のアオサギなんて
不思議な光景。
次に気が付くと、いつの間にか
ちゃんといつもの場所にいた。
少し冷えてきて、さて帰ろうと土手の上から振り返ったら、
何と、桜橋の潅木がみな切られて無くなっていた!
雪が多い時には気が付かなかったが、一体いつの間にこんな・・・。
初夏には必ずオオヨシキリが来て営巣し、さかんに鳴いて飛び移る、
あの美しい葉むらがすっかり失われてしまった。
どうしてこんなひどい事に。
こんな細い木立が岸辺にあっても、
水害時に何か影響するようには
思えないのに。
どこまで木々を伐採すれば
気が済むのだろうか。
鳥たちにはもちろん、
川辺を歩く人間にも
憩いを与えてくれた優しい木々に
どうしてこんな酷いことが
平気でできるのだろう。
そして、かわいそうなオオヨシキリは
一体どこで生活したらよいのか。
これは去年の6月の写真です。
昨日の探鳥会で聞いた、城南-大桑に渡る犀川の高い堰がもうじき壊されるという話が
とてもショックで、気になってよく眠れなかった。
この川の中のちょっとした滝は人造物ではあるけれど,長年の間に自然にとけ込んで、
中州と共に、変化に富んだ場所をいろんな生き物に提供し、美しい景観を作り出している。
今この城南の堰の上流と下流で、中州を削る大規模な土木工事が行われている。
数年前の浅野川氾濫の水害以来、犀川でもずい分と川原の木々が伐採され、
水害対策の大義名分の下で、県はやりたい放題の土木工事をしている観がある。
もちろん水害対策は重要だけれど、
昔、岡市長の時代に金沢市が
犀川の水底を大分掘削したらしく、
それ以来犀川の水が氾濫したことはない。
200年に1度の水害に備える、
と言いながら、その実
公共工事をしたいものだから、
川の両側に芝生公園を造り、
自然に生えている草や柳など
みんな取っ払って、桜を植え、
ヘビや虫など目障りな生物を一掃して、
「安心して」綺麗な靴で散策できる
「都会的な憩いの公園」を作りたい
というのが本音のように思える。
さまざまな水の表情を見せてくれるここは、金沢でも私がもっとも好きな場所で、
自転車で少し走ればこんないい所に来られるというのが、私の街自慢なのに、
この風景がもうじき無くなるなんて、何とも耐え難い。
自然に手を加えようとする時、今までは野鳥の会に連絡があったのに、
今回は何もなく、県庁に抗議に行っても、もう何年も前に決まった事だからと、
聞く耳持たずの態度らしい。
この辺りの地形が
すっかり変わってしまったら、
楽しげに生活している鳥たちは
一体どうなるのだろう。
左の写真は、
初夏にヒナたちの前で
餌取りをやって見せている
ゴイサギ。
こんな風景も
あまり見られなくなるかも
しれない。
今日は作品の材料を買いに行こうと思って、その先に回り道して城南の様子を見に行った。
流れる水の動画撮影をしていたら、近くに住む野鳥の会会員で私の師匠のMさんに出会い、
工事計画と、反対運動などいろんなお話を伺った。
お宅におじゃまして、お茶などご馳走になって話し込んでいたら、すっかり暗くなってしまった。
今日会った鳥たちの写真を少し載せます。
モズ。昨日対岸の大桑で会った同じ子かしら。
近頃声しか聞いていなかったオナガ。
カルガモやカワアイサは
沢山いるようだったけれど、
平日で工事の音がするので
昨日よりずっと数が少ないと
Mさんは言う。
夕暮れの水辺にたたずむ逆光のアオサギはなかなか絵になる。
この冬の金沢は、年末の寒波以来
雪が消えたことがない。
気温が低いので、一度降った雪が
融けずに残り、その上にさらに雪が積もる
というくり返し。
それでも木の枝に積もった雪は、
いいかげんに消えていたのに、
一晩でこんな状態になってしまった。
庭にはだんだん雪捨て場がなくなってきて、
ヒヨドリたちのお食事場の山茶花も
ついにこんなに埋まってしまった。
でも大丈夫。
テラスや作場の屋根の下に
みかんをかごや太い針金で吊ってあるし、
雪がひどくなってからは、不器用なヒヨのため、
テラスに降りる踏み台の手すりの上や
テラスの地面の上に直接置いたりしている。
2週間ほど前、雪がやはりひどく降った日、今までメジロたちと仲良く交代で食べていたヒヨが、
一体どうしたことか突然、他の小鳥たちを威嚇するようになった。
そして枝の上にとまって羽毛をふるわせる動作を、時々するようになった。
ヒヨ子はこんな子じゃなかったのに・・。
それでも、最初は羽毛をふるわせるヒヨの横で、平然と食べていたメジロたちだったが、
しだいに姿を見せなくなっていた。どこか他にいい場所見つけたかな、と思っていたら、
今日久しぶりに現れ、つがいで仲良く食事していた。
気の弱いウグイスは、電光石火の如く、サッと来てはサッと食べ、サッと去っていく。
この子は、節目節目に私にわざわざ挨拶に来てくれるなかなか優しい子である。
今日またヒヨが羽毛を震わせている、と見ると、ムクドリが庭に降りてきていた。
何度かみかんに近づこうとトライする度、ヒヨに追われていたけれど、
少しは食べられたかしら。
この積雪量だと、池を掘り出すのに相当苦労する。今日は雪かきに半日を費やしてしまった。
それからやっと夕方、香林坊に買い物に出かけた。
雪に埋まっている商店街。
信号機だって重たそう。
街の様子。思ったより歩きやすかった。
ここ数日ずっとこの時間はすでに氷点下だった。
今日は寒さが少しましな気がする。
タテマチ広場は
しっかり雪捨て場になっていた。
大きなかまくらが作れそう。
帰りはまた雪が激しくなった。
明日の朝までに
まだまだ積もりそう。・・嗚呼。
雪を被った屋根並みの映像の1シーンが欲しくて、夕方撮影に出かけた帰り、
あい変わらず雪で白くおおわれた川原に降りてみた。
もうかなり暗くなっていたけれど、カモたちの姿が点々と認められた。
カワアイサが二羽、と思って双眼鏡をのぞいてみたら・・・・。
何と!ほっぺたのところに白い斑紋が!
これがうわさのホオジロガモかしら?
一生懸命目をこらす。
こんな時に限って、持参のビデオカメラには、うっかりあまり残量のないバッテリーを
装着していたので、映像撮影ができないのが残念。
では、コンデジ(コンパクトデジカメ)の出番。
しかし遠い上にあたりは暗く、デジタルズーム40倍では手ぶれがひどい。
それでも、後で家で本と照らし合わせて確認する手がかりになった。
確かにホオジロガモ。 やったね!やっと見つけた。
先日から何度も見かけた、羽毛に頭をつっこんで寝ているカワアイサだと思っていた彼らも
実はホオジロガモだったのかもしれない。
鉛色の重い空は、西の地平に近いところだけが薄くなり、
白い雲の背後で今沈む陽の、光線が透けて染まり、
まるでバロック絵画(ブーシェやフラゴナールなど)に描かれた空のような、
神々しいまでの様相を、束の間地上に見せてくれた。
気になるホオジロガモが今回は見つかるかしら。
先日より雪の量が減って、幾分歩きやすい。
カワアイサが数羽、頭を羽根につっこんで休んでいた。
2日前より、カモたちの数が多く、
この日もかなり気温が低かったのに、
(多分この時間1℃もなかった。)
鳥たちはけっこう活動的で楽しげ。
オオバンは対岸の方、
皆なかなか近くに来てくれないが、
カルガモだけは平気でそばに寄ってくる。
活発に泳ぎ回っているのは、カワアイサの雌。
男の子は寒さでじっとしているのに、女の子の方が元気みたい。
キンクロハジロがいる、という話も聞いていたので、その姿を探す。
私は、冬にこの川で見かける白黒カモはみんなカワアイサだと思い込んでいた。
よく見ると、黒白の入り方も体形も違う。一緒にいるのは奥さん?
それにしても、この子たちもすぐ水に潜ってしまう。
この子がとても気になって追跡。
嘴の近くに白い斑点が・・・。
帰ってから鳥の本を見ると、
キンクロハジロの雌には
嘴の元に白い紋を持つものがある、
と書いてあった。
この日は他に、ツグミ、ハクセキレイ、
ムクドリ、ヒヨドリもいた。
半月が中空にかかり、
雪の夕刻は、独特の光を放つ。
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